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「おい、ジロー。俺様の弁当を取るな。」
「Eじゃんかー。」
「よくねえよ、なぁ樺地?」
「…ウス」
「…岳人、絶対俺に近づくなよ。」
「何でだよー!」
「俺にそれを近づけるなや!」
「えー、納豆うまいじゃん」
「宍戸さん、またチーズサンドですか?」
「おう!上手いじゃねーか!!」
…あれ?なにか足りないような…
辺りを見回してみる。…あ、若が黙りこんでる…
「わーかしっ!」
「…どうした?」
「拗ねてる?」
「…!…拗ねてなんかない。」
「じゃあ、なんで漫才に混ざらないの?」
「五月蝿い、関係ないだろ。」
「そっかぁ…隣でご飯食べれなくて拗ねてるなら、特別に家に呼ぼうと思ってたんだけどなぁ…」
「!!?」
「どうする?」
「…言っとくが行きたいわけじゃないからな…お前がどうしても来てほしいなら行ってやる。」
「じゃあ、来てほしいから来てよ!」
「…しょうがない…行ってやるよ。」
若ってツンデレだなぁ…
「クスッ…ほら、漫才に混ざってきなよ!」
「俺は、漫才なんて…あ!芥川さん、俺の弁当にまで手を出さないでください!」
「だって、日吉の家の和食美味しいC。」
「全く…あ、向日さんまで取らないでください!!」
「ほら、これやるから機嫌治せよ。」
「これ、なんですか……賞味期限きれてるじゃないですか!」
やっといつも通りに戻ったね…
「すげぇな…。」
「あ、宍戸…なにが?」
「あの日吉の機嫌を一発で直せるなんて中々いないぜ?」
「そうかな?」
「おう!」
「まぁ、テニス部は皆で漫才やらないと面白くないからね!」
「…俺も漫才やらなきゃいけないのか?」
「ツッコミがいなきゃダメじゃない!行ってらっしゃい」
「…はぁ…お前ら、止めてやれ!」
よし、これで、
寝れるそこら辺に横になって、テニス部員の漫才を聞きながら寝……れない!
え、何?五月蝿いんだけど?
「おーい!美春も来いよー!」
…寝たいのに…
「お嬢ちゃん、失礼するで。」
ふわりと体が浮く…ってえぇっ!?
慌てて目を開けると忍足にお姫様抱っこされていた。
「…おい、下ろせ。」
おっと、いけねぇ…男口調になっちまった。
「おぉ、怖いなぁ。すぐ下ろすさかい、大人しくしとってや」
ちっ…
今日は、アイツの意外な一面を見た気がしたぜBy宍戸[ 44/53 ][*prev] [next#]
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