39.5


「寝てしもうた…」

全く無防備やなぁ…
人のことをはっきり苦手や言うたり、好きや言うたり…挙げ句の果てに、男の膝の上で寝るし…
ふわっ…
緩やかな風が吹いて俺の鼻に甘い香りが掠める。…この香りどっからするんやろ…

「…あ…」

香りの発生源分かったで…美春や…
俺は、美春が寝とるのをええことに腰に手を回して抱き締めて首もとに顔を埋める。

「ん…」

あかん、起きてもうたか?

「すぅ…」

ふぅ…ビックリしたなぁ…
にしても…ええ香りやな…
俺らに群がる女たちとはちゃう香り。香水やそんなんやあらへん…
これが女子特有の香りってやつかいな

「あかん…」

今まで本気で恋なんてしたことない俺や…けど、本気で恋…してまうかもしれへん
まぁ、この嬢ちゃんに恋したら、もれなく日吉や宍戸、跡部…それに四天宝寺っていう恋敵もついてくるんやろうなぁ…
まぁ、それでも俺は、諦めへんけどな…と、俺が軽い決意をした瞬間にチャイムが鳴る。
タイミングがええんか悪いんかよく分からんなぁ…
てか、美春起きへんし…
ま、しばらく美春の寝顔みとるのもええか。

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