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そして、中に居た人物の内、片方を見て軽く言葉を失った。だってその人物は――

「蔵石!」

そう、蔵石もとい白石蔵之介だったんだもん!

「ん?…って美春やないか!」

「久しぶり!」

「せやなぁ。美春がここに来とるってことは跡部くんの代理って美春なん?」

アトベクン…だと!?

「アホ部が跡部くんとか…気持ち悪っ。私が許可出すから、せめて跡部って言ってな」

「気持ち悪いってなぁ…」

「あれや、けーやを忍た…り…?」

忍足…?あれ、変態丸眼鏡と同じ名字?

「美春、どうしたんや?」

「ん、あぁ。なんでもない。」

気のせいだろうし。
自分の中でそう締め括って、言いかけてたことを言ってみる。

「言いかけたけど、けーやのことを忍足ちゃんって言うのと跡部くんって言うの同レベルやからやめーや。」

「そ、それは…気持ち悪いな…」

…あー…、この世の中で忍足ちゃんって呼ばれてる人ごめんなさい…!

「ねぇ、白石くん、僕たちにもその子を紹介してくれないかな?」

後ろからいきなり美声がかかる。
振り向くと、手塚さん?と男の子が2人…って

「増えてる…?」

首をひねりながら、いつの間に…?と思ってたら頭を叩かれた。
ゴキッ
うわっ…今の衝撃で骨が…っ!

「はいはい、自己紹介が先や。早よう自己紹介し。」

私の骨を戻すように頭を動かしながらそう言う。…バカ蔵石…

「えっと、氷帝の跡部代理の神崎美春です。一応、中3です。以上!」

「以上ってなんや!」

頭をスパーンッと叩かれる。いったいなぁ…

「いたっ…」

「こいつがすまんな。俺らは顔見知りやけどこいつは初めてやから自己紹介したってや。」

私を気にかけずに蔵石は、手塚さんと男の子2人に声をかける。

「じゃあ、俺からさせてもらう。」

手塚さんと呼ばれてた人が最初に自己紹介をするみたい。どこの監督かな?

「青春学園中等部のテニス部部長をしている手塚国光、中3だ。」

部長!?
え、あんな顔で中3?老け顔じゃ済まない老け顔じゃん

「ふふっ…次は俺がするね。」

次は…女神みたいな人がするのか…

「立海大付属中のテニス部部長の幸村精市だよ。ちなみに、男だから、女神じゃなくて神だよ

…あれ?笑顔はスッゴク綺麗なのに、黒いオーラが…

「黒いオーラなんて出てないよ?」

あれ…?声出てない…よね?

「うん、出てない。」

…あれだ、うん。流そう。

「君は?」

残り一人に声をかけて流す。

「あ、俺?俺は3年の佐伯虎次郎。部長が決まるまでの部長代理だよ。」

…うん、普通だね。

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