「皆、進級おめでとう。」

そんなありきたりな言葉がドアの向こうから聞こえてくる。
転入生の私は、先生が呼ぶまで入れない。
友達できるかなぁ…とか考えてると、呼ばれた

「入ってこい」

私が教室に入ると、先生は、黒板に神崎美春と書いて、生徒の方を向いたかと思うと、何かを投げた。
あたったひとは…にんそくさん…?
てか、チョークが額に当たって粉々って…。ベニヤ板ぐらいなら、絶対チョークで割れる。

「あいたっ…ちょ、先生チョーク当てんでくださいよ。机の上が粉っぽくなったやないすか。」

…コイツ、私の存在に気づいてない。
よく見ると、忍足の額にチョークが当たった痕があり、周りの人は笑いを堪えてる。てか、写メろ…
カシャ

「忍足、そんな風にいう前に人の話を聞け。」

「考え事しとったんやけんしゃーないわ。」

「はぁ…考え事は後にしろ。転入生が自己紹介できないだろ。」

にんそくさんは、その言葉でやっと先生の隣の私を見た。

「ん…転入生?って…今朝の嬢ちゃん…!」

こんな時でも嬢ちゃん呼び…

「「「ぶっ…」」」

にんそくさんの嬢ちゃん呼びに周りが吹き出した。恥ずかしい…仕返しだ…

「あ、千の技を持つ"変態"さん」

すみません、わざとです

「「「「「ぶぶっ…」」」」」

「変態やない!天才や!」

「あれー?」

自分で天才って言ういたい人だったのか…

「…いいから、転入生は自己紹介しろー!」

転入早々しかられたし

「あ、はい!!神崎美春です!」

これが私とテニス部員の最初の関わり。

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(出会いは偶然)

(再開は必然)

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