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「で、どうかしたんか?」
「えっと…実は迷ってしまって…」
うわぁぁぁ…初対面でこれとか恥ずかしい…
「あぁ、氷帝の方から来た方なら迷ってもおかしくないでしょう。」
「俺らが案内しちゃるけん目的地言いんしゃい。」
「仁王さん…柳生さん…」
貴方たちは神ですか!?
今時、こんなに優しい高校生がいるんだ…
「因みに、私たちは立海大付属中の3年です。」
え…待て待て…今、立海大付属"中"…え?中学生?
てか、この流れは私も言わなきゃいけないパターン?
「わ、私は、氷帝学園中等部3年…の神崎美春です。」
「美春さん…良いお名前ですね。」
「神崎さんは、どこにいくんじゃ?」
「えっと…とにかく、近くの駅まで…」
「ふむ…柳生くん、紙はありますか?」
「あるぜよ。」
柳生さんが仁王さんにメモ用紙を渡す。
あ、もしかして地図書いてくれてるのかな?
「これでよし…柳生くん、彼女を案内しますよ。」
「…ぴよっ」
…ぴよっ?
もしかして、この人電波さん…?
「こちらです。」
仁王さんの道案内で駅に向かう。
「神崎さんは、どうしてここまで来たんじゃ?」
歩いてると、柳生さんにそう聞かれる。え、自分でもよく分からないんだけど。
「自分でも分からないという顔をしてますね」
「そうなんか…」
「ほら、柳生。駅に着きましたよ。」
「おぉ、ほんまじゃ。」
「では、美春さん、また会いましょう。あと気が向いたら連絡下さい。これ私と柳生の連絡先です。」
と、連絡先を渡された。
え、今さっき初対面ですよね?学校と名前ぐらいしか知りませんよね?
「お前…いつの間に…」
ほら、柳生さんも困ってるじゃないですか。
とか、心の中で言ってみる。
「柳生、帰りますよ。」
「…はいはい、分かっとる」
心の中で言ってる間にそう言って2人は去った。
あ、お礼言えてない…
今日は、可愛いお嬢さんに会いました。By仁王?[ 22/53 ][*prev] [next#]
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