「ムッツリーニィィィィィ!」

…また追いかけっこが始まったか。
全く、あいつらはよく飽きないな。

「あんた、そんな写真撮るのもいい加減にしなさいよ!」

「………俺も健全な男子高校生………無理」

「健全な男子高校生の領域を越えてるから言ってるのよ!」

あいつらは、2年Fクラス一の仲良し…もとい犬猿の仲コンビだ。
犬猿の仲コンビについてのネーミングセンスは、俺に言わないでほしい
所詮、バカなFクラスの奴が付けたんだからな。
そんなバカな奴らの代表をする俺もすごいと思うがな…

「大体、ムッツリーニは女子のスカートの中を何だと思ってるのよ!?」

「………(ブシャアッ」

お、ムッツリーニが盛大に鼻血を出した。それでもスピードが落ちないとは流石だな。

「…変態。サイテー。何、妄想してんのよ」

「………変態とは心外(ダラダラ」

「鼻血出しながら言うな!」

「……そもそもスカートの中に興味はない(ダラダラ」

「今世紀1番の大嘘をありがとう」

「………嘘じゃない」

…たまには、ムッツリーニをからかってやるか

「いや、美香ムッツリーニは嘘を言ってない」

「坂本…」

「雄二…」

「ムッツリーニは、美香のスカートの中以外には興味がないからな」

これで良―――

「…霧島(ボソッ」

「翔子がどうかしたのか?」

「雄二…説明してもらう」

良くなかった。

「翔子!?いつから!?」

「美香のスカートの中以外には興味がないからなぐらいから…」

…俺としたことが…

「お父さんに会ってもらった後に説明してもらう」

逃げなければっ…!

「逃げる…駄目」

俺は、そこからダッシュで明久の家に逃げた

そのあと、美香とムッツリーニがどうなったか俺は知らない。だが、クラス公認の犬猿の仲でなく、鴛鴦(おしどり)になったのは確かだった

end


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