1
精神と肉体を同時に攻撃された結果声の出なくなった私は、床に倒れている手足のない胴体をぼんやり眺める。
なーんでこうなっちゃったかなー。
これならゆっくり安全確認してハーゲンダッツの方がよかった。
「いい加減口を割ったらどうだ?ベティ。今更このおれの船に何の用だ?」
「おれ達を恨んで海軍にでも入ったんじゃないすか?ほら、なんか服が海軍っぽいし」
「バカだなぁ。それはムリだろ。あのベティだぞ」
「そうだよ。それに、海軍にこんな制服あったっけ?」
「お、おれが海軍の事なんか知るわけないだろ!」
「すみません・・・」
『打たれ弱っ!!』
「・・・お前ら出てけ」
おー!
生で見ちゃった「すみません」!
かぁわいいなぁ。
きっと今じゃなかったら可愛さで顔が崩壊するとこだよ。
「バカベティ!お前のせいでおれ達まで怒られただろー!」
「さっさと吐いちまえよベティ。お前海軍と繋がってんだろ?」
「まだ言うか。」
「で?どうなんだ?」
「(どうと言われても・・・)」
上から白熊。グラサン。オシャレ帽子。隈の船長。
なぜ名前で呼ばないのかは現実逃避をしているから。
これは実は何かのドッキリでこいつらは仕掛人なんじゃないかと。
ていうかその前にさ。
さっきからずっと思ってたんだけどさ
「言わないか・・・。おれを怒らせたらどうなるか・・・・・・忘れた訳じゃぁないよなぁ?ベティ」
ベティって誰よ。
【懐郷病】
[ 6/12 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]