学校の帰り道、お腹が空いたとリュウジが言うからコンビニに寄ることになった。私もちょうど買うものがあったからついて行ったけど、お目当てのものはここには置いてないらしい。仕方なく、ジュースを手に取り、リュウジを探した。


「あ、ねえ、紅茶とココアどっちかいいかな?」


2つを手に持って相談しに行ったら、リュウジは日用品のコーナーにいた。何してんだろ?意外と家庭的なのかな。そんな彼はにこりと私を手招きして呼ぶから近づいてみると、そこにはその、避妊具が売られていた。


「名前はどれがいい?」
「……」
「あれ?具合悪い?大丈夫?」


私のことを気遣ってくれながらも、カゴにはちゃっかりコンドームが入れられていた。そして紅茶もココアも両方ともカゴに入れて、それを私の手に握らせた。えええ、あのこれ、私が会計しろと?嫌だよこんな!何の罰ゲームですかこれ。


「え、リュウジ…?」
「冷えピタ持ってくるから先に並んでて。よろしく!」
「あ、いや…むりですって!」
「なんで?」
「だって、その…これ」
「なぁに?」
「…うー、コンドーム」


小声で言うとリュウジがか―わいい!とか言ってきた。くそう、女顔のリュウジには言われたくない。街で二人で歩いてたら、確実にリュウジのがモテる気がして自分で勝手にちょっと落ち込んだ。


「じゃあ一緒にいこっか」


笑いながら私が持っていたカゴを彼が握ってくれて、空いている左手で私の手をとってレジへと歩き出す。会計している間恥ずかしくてずっと俯いていた。むしろこっちの方が恥ずかしい気がして、顔を上げるとリュウジとぱっちり目が合う。すぐさま顔を背けると、後ろで彼は笑った。悔しい。


「あ、名前」
「ん?」
「はい、これ」
「あ、冷えピタ…?」


店を出た後、リュウジは袋をごそごそしながら私の名前を呼んだ。何だろうと思って、首を傾げると彼は冷えピタを私に差し出してきた。


「店の中でしんどそうにしてたから。無理はしないでね!」
「……え」


あれは、ひょっとしなくてもリュウジのせいではないでしょうか。あなたがあんな場所に突っ立って、あんなことを聞いてくるのが悪いのではないでしょうか!
でもそのリュウジの優しさにちょっとだけ、きゅんときたのは嘘じゃない。


「…ありがとう」
「あ、どーいたしまして。それと今日はやめておいた方がいいよね」
「ん?何を?」
「何って…セックス?」


真顔でそんなことを言ってきた。いくら夜で人通りが少ないからって、その単語を平然と言っちゃ駄目でしょ!あたりまえです、とリュウジにぴしゃりと言って、恥ずかしくなったから今まで繋いでいた手を振り解いて一人で走りだした。後ろから待ってよー、家まで送るから、とかリュウジの声が聞こえてきたけどとりあえず走った。




本当はね、傍にいたいんだよ
(優しい君が誰よりも)
(大好きなんだから)






―――――

コンビニに普通に売ってるのを最近まで知らなくてびっくりしましたww




120212
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -