「プリン食べたい。作って?」


面倒臭い。この4文字で片付けてしまえば物凄く楽だが、目の前の彼女がそうさせてくれない。朝からオレの隣でプリンプリン言ってる。そんなに食いたきゃ買ってこいよ。まぁ、こんな言葉を名前に言ったところできっと花粉症がなんたらとか言って外に出ないだろうけどな。


「花粉が飛んでなければ私が勝手にプリン作って食べるのに…!」
「…仕方ないな。今日だけ特別作ってやるよ」


ティッシュを周りに散らかしながら鼻をすする名前の要望を聞き入れて、結局オレが作るハメになってしまった。冷蔵庫を開けるとちゃっかりプリンの材料が入ってある。お、コーヒーもあるから、コーヒープリンを作ろう。そう考えながら卵を取り出すと、未だにマスク越しにくしゃみをしている名前がキッチンに入ってきた。


「コーヒープリン作るの?」
「ああ」
「やだ。スタンダードなプリンが食べたい」
「はあ?」


こいつ…!せっかく作ってやるのに文句言うのかよ。でもま、仕方ねーか。いや、全く仕方なくないような気がするが、最終的に何でも面倒だと片付けながらも手は作業させる自分がむしろ怖い。


「ありがとう!篤志が作るプリン、大好きだよ」





どうやらオレは名前の照れるような笑顔に弱いようだ。









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