「名前ちゃん、一乃くんと写真撮ると、すごく楽しそう」
「えっと、茜ちゃん?」
そんな言葉を急にかけてくた当の本人は、頑張って、と笑いながら神童くんの方へと走っていった。さっきの、どういう意味なんだろう。七助とは幼馴染だから一緒にいるだけで安心するからなのかなあ?
「おはよう」
「あ、七助!おはよう」
「どうかしたのか?廊下の真ん中で突っ立ってるなんて」
「ちょっと、悩み事?」
グッドタイミング!ちょうど朝練を終えた七助がたまたま通りかかってくれた。そうか、今のことを彼に話せばすっきりするかもしれない。
「さっき茜ちゃんに、七助と一緒に映った写真は楽しそうって言われたんだけど」
「そうなのか」
「うん。だから七助も何か心当たりとかある?」
「あぁ、ある」
「ホント?」
「名前、オレのことが好きなのかもな」
一旦、頭がフリーズした。私が、七助を…?いやいやいや!七助はただ私の幼馴染で、そりゃ昔から仲が良かったけど、まさか恋愛感情なんて!
「いまの冗談……って、名前聞いてる?」
「そそそ、そうだよねっ!冗談だよね!私が七助を好きなんて……!」
どうしよう、どうしよう!絶対、私の顔は真っ赤だ。これ以上七助に近づかれたら。
「えっと、じゃ、じゃあ。またね!」
「あ、おい!名前!」
無理やり七助を押し退けて教室にへと走り込む。明日から顔を合わせにくいじゃん。はあ、とため息をついて、どうすればこの気持ちのもやもやが晴れるのだろうと考えた。
(もっと素直になりたいのに)
(もっと素直になればいいのに)
―――――
アンケートでリクエストしていただきましたリコさんに捧げます
一乃くんかっこいいですよね!私も好きです笑
お話は甘酸っぱいのを目指して撃沈しましたけど…素敵なリクエストありがとうございました!
120327