痛い。急に素晴らしく下半身が痛みで悲鳴を上げ始めた。太ももの付け根辺りがパンツと擦れて凄く痛い。でも、出来るだけそれを悟られないように、そろりと横に歩いている彼氏を見ると、至って普通の様子で、私の視線に気づいたのか口元を緩めてきた。よかった、気付かれていない。というか気付かれたくない。パンツのせいで肌が被れて痛いです、なんてそんなの乙女じゃない!


「名前のクレープも美味しそうだな」
「う、うん…凄く美味しいよ」


どうしよう。歩くたびに擦れるんですけど。ちょっと歩き方を変えたりしてみて痛みを和らげようとしたけど無意味だった。曖昧に返事をすると、真帆路くんは首を傾げてきた。


「さっきから様子がおかしいけど、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよっ!それより真帆路くんのクレープ、一口貰うね!」


実際まったく平気じゃないんだけど、とりあえず誤魔化す。このクレープ、ほんと美味しい、そう思いながらパンツを格闘していたら、急に手を引っ張られて人通りの少ない裏路地に連れて行かれた。


「真帆路…くん?」
「名前、どうしたんだ?正直に言ってみろ」


顔を近づけられて恥ずかしい。でも、身動きをとると下半身が痛い。そんな究極な状況でなんて言えばいいのかわからずに口を閉ざしていたら、彼の手が私の顔に伸びてきて捕えられる。


「言えないのなら、仕方ないな」
「っん、ん…んーんっ!」


急に唇を押し付けられて、歯の裏まで舐められる。離して、と叫ぼうにもがっちり掴まれてるから抵抗できない。


「ん、ぁ…はぁ、はぁ」
「は…、少しは話してくれる気になったか?」


手を離されて肩で息をしていると、彼は心配そうに覗きこんでくる。そんな優しい彼に今悩んでいるこんなことを話していいものかと躊躇ったけど、話さなかったら話さなかったで、またキスされそうな雰囲気だったから、口を開いた。


「絶対に笑わないって約束してくれる?」
「もちろんだ」
「あの……、ぱ、パンツが擦れて…その、凄く、痛いの!」
「……はぁ」


正直に話すとぽかん、と何言ってるんだコイツみたいな顔されたけど、次第に思考が戻ってきたのか、くくくっと笑い始めた。…笑わないでねって言ったのに!


「そんなに笑わなくてもいいじゃんー」
「いや、その…そんな理由だとは思わなかったから」
「ばーかばーか」


小学生の低学年の子が思いつくような悪口をひたすら並べていたら、唇に軽くキスされた。


「名前、下着を一度脱いでみたらどうだ」
「え、いや…それはさすがに」
「このままだと更に肌が傷つくかもしれない」


いや、ノーパンはダメでしょ!そう思って他にいい方法がないかと模索していたら、がっちり腰を掴まれて、強引にスカートの下から器用にパンツだけを取り除いてきた。うわあぁあああああ!恥ずかしいっ!


「真帆路くん、パンツ返してよ!」
「でもこの下着は痛いんだろう?」
「い、痛いけど…はいていない方が恥ずかしいいよ!」
「オレは名前が痛がる姿は見たくない……駄目か?」
「駄目じゃないけど…って、もうちゃっかり鞄にパンツ入れてるし!」


この後私の下着が真帆路くんにどう使用されたかはご想像にお任せします。






―――――

下着が擦れて痛い経験をした方はわかると思うのですが、冗談じゃないくらい痛いときって涙出そうになる、そんな実話に少し基づいた妄想話
パンツパンツ連呼して申し訳ないです…!
ぎりぎり裏じゃない…よね?




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