「すみません監督。わざわざ買い物に付き合わせてしまって」
「いや、構わないよ。君にはいつかお礼もしたかったしね」
「…ありがとうございます!」


明日は大河の誕生日であることをずっと前からわかっていたのに、何をプレゼントすればいいのかわからず、ただ日にちだけが過ぎていって、結局、誕生日当日になっても用意できずにいて、大好きな大河とも顔を合わせづらくて練習後に亜風炉監督に助けを求めにいった。


「監督なら誕生日プレゼント、何が欲しいですか?」
「僕なら好きな人から貰う分には、彼女が選んでくれたものなら何でも嬉しいかな」


うーん、やっぱりそういうものなのかな。それでも貰うなら実用的な物の方がいいのかな、とかすぐに食べられるようなものがいいのか悩んでしまう。


「今日は貴志部と話したのかい?」
「いえ…今日は一言も」
「プレゼントを渡さないより、そっちの方が彼も傷つくと思うよ」
「そう、ですよね」


サッカーのシューズを見て回りながら、今日の私自身の行いを反省する。大河から逃げるようなこともしちゃったし、もう怒っちゃってるかな。そう思っていると。


「名前っ!」


後ろから大きな声で名を呼ばれてぎゅう、っと抱きつかれて監督との距離を離れさせられる。びっくりして、声を出そうとしたけど、この温もりと匂い、さっきの声は間違いなく大河だ。


「監督!これはどういうことですか!」
「なにがだい?」
「どうして名前と一緒にいるんですか」


弁解しようとしてもがっちり体を抱きしめられていて、身動きすら取れない。


「…っ大河」
「!…名前?」


身動きが取れないのなら、と逆に私の方から抱きついてみる。お店の中だということはすっかり私の頭にはなくてただ、大河に謝りたかったのと監督は悪くないということを証明したかった。


「監督に一緒に買い物に付き合ってほしいと頼んだのは私なんだよ」
「そうなのか…?でも、どうして?」
「今日、大河の誕生日なのに何も用意してなくて、そんな状態で大河と会うのも気まずくて……本当にごめんなさい!」


そう言うと、大河は、そっか、と小さく呟いた。


「てっきり二人でデートしてるのかと思った…」
「はは、そんなことをしたら僕は貴志部に殴られてしまうね」


大河はきつい拘束を解いてくれた。そして、ふ、っと笑った監督は私たちの方を向いて。


「僕はまだここで色々と見るつもりだけど…君たちはどうするんだ?」
「オレは少し名前と話したい…いいかな?」
「私も大河にまだ話さないといけないことあるから…!」
「じゃあ、もう遅いし、気をつけて帰ってね」


ひらひら、と手を振る監督にお辞儀とさようならを言って、私の方から大河の手を掴んだ。彼もその手を握り返してくれる。


「オレの家に来ないか?」
「今からお邪魔してもいいの?」
「名前と一緒にいたいんだ」


照れくさそうに顔を背ける彼が可愛らしくて、行きたい、と返事をした。

ちらり、と後ろを振り向いて監督の方を見ると、頑張れ、と微笑みながら口パクで言ってくれた。ありがとうございます監督!そう思って大河と手を繋いでいる手を離れないようにぎゅう、っと強く握った。






久しぶりの大河の部屋はきれいに整頓されていて、やっぱりいい匂いがした。


「プレゼント何もなくてごめんね。大河は何が欲しかったの?」
「名前」
「え?」
「オレは名前が一番欲しい…駄目かな?」


大河を見ると真剣な顔で。正面から見た彼もやっぱり顔が整っていてかっこいいなと思ってしまう。私が欲しい、なんて普段はお互いに恥ずかしくてそんな風なことはあまりシないから誘ってくるなんて珍しいな。今日は大河の誕生日だし、ノーとは言えない。だから大河の言うことは何でも聞いてあげたい。


「うん、いいよ」
「ありがとう」


頷くと、口角を上げて微笑んでくれた。


「ふ、ん…ぅっ」
「…んはぁ、ん」
「んーっ、んぅ、ん…」


ベッドに優しく押し倒されると自然に唇と、唇が重なり合う。ちゅ、ちゅぅ、って、音。それと舌が絡みつくくちゅくちゅ、という音が響く。


「ぁう、ふ、んはあっ」


一旦唇が離れると、べろ、って、私の唇を大河が舐めた。


「キスだけでもうこんなに濡れてる」
「…っ!」
「可愛い…」


下着の上からなぞられて、もう濡れちゃっているのがバレた。私だけ恥ずかしいのが嫌でもう一回それを紛らわすように口付けをした。


「ふ…名前」
「んっ…ぁ、やめて、よ…ぅ」


耳朶をやんわり噛んで、そのまま耳を舐めてきた。刹那、身体中にびりりと刺激が走る。


「もうこっちも期待してるんだな」
「はぁっ…はぁ、ん」


大河の手は、私の服をたくし上げ、胸に触れ始めた。同時に片手ではゆっくりとスカートと下着を脱がしている。最初は遠慮がちに浅い部分を指で擦っているようだったけど、しばらくして中に指を入れてきた。


「ふぁ、あっ、んっそ、な…に、した、ら…っ」


くちゅ、くちゅくちゅ、ぬちゅぬちゅっ。
さらに、追い立てるように私の乳首に舌を這わせる。もう、イきそう、そう思った瞬間に大河は私の身体から離れた。


「んぅ…ったい、がぁ?」
「ね、名前。オレのも舐めて」


じ、じっとジッパーを降ろす音が聞こえた。必然的にそっちを向くと、大河のソレを見てしまって、慌てて目線を逸らす。そしたら大河の笑い声が響いた。


「名前、お願い」


今日は大河の誕生日なんだから。だから、お願いは聞いてあげたい。今度はちゃんと大河のに目を向けた。うわ…もう、おっきくなってる。


「んっ、はっ…ぅむっ、ん」
「…んっぁ」


両手で大河のを支えて上からしゃぶりつく。全部は入りきらなかったから、そこは手で擦った。じゅる、じゅる、って啜る音が響いてもう本当に卑猥。


「ん…ひもひぃ?」
「は…っ、名前」
「ぁむっん、んっは、ぁ」
「ッ…もう、いいからっ」


苦いのが出てきてそれを舐めとっていたら、急に大河の性器を口から離された。


「挿れていいか?」
「んっ」
「…今日は手加減できないかも」


左右に足を拡げられて、大河のがぴったりくっついた。それが少しずつ中に入ってくる。


「はぁ、はぁっ…あつぃ、よぉ…」
「んはっ…名前、名前」
「は…ぁ、は…ぅん」
「名前の中、すごくっ、気持ちいい」


徐々に押し入ってくる熱。真ん中くらいまで入ると、一気に奥まで突かれた。


「あっ、あっ、あ、ん、はぁ、んっ」


パンッ、パンッ、パンッ

ひたすら肌を打つ乾いた音。大河のが奥に突かれるたびに、結合部からの厭らしい音が私の耳に入ってくる。目を閉じるとそれは更に聞こえてくるし、目を開けると大河とばっちり目があった。


「名前…愛してる」
「ぁあっ、んぅッ!…っ…ん、大河の、いっぱ…い」


中に久しぶりだったからたくさん、精液が注がれた。私の腰を掴んで最後まで出し切ろうとしているのか、ゆるゆる、と腰を揺すっている。おかしいな、いつもならもう引き抜かれるはずなのに。


「…はぁ、はぁ、ん…名前」
「はぁ、はぁんっ」
「まだ、いけるよな?」
「た、大河…?も、う…ッ」
「やっぱりまだ足りないんだ」
「あ、あぁああんっ!あ、は、はぁっ」


いきなり激しく動かされて、しかも、さっきよりも、ぬちゅぬちゅ、とか恥ずかしい音がする。


「あっ、あんっ、はげしぃ…よぉっ」
「はっ、はぁ…名前」
「ん…たいが…っ?」


急に腰の動きが止まった。なんか物足りなくて自らはしたないと思ったけど腰を動かしてしまう。


「今日のこと、ごめんな」
「へ?」
「だから、監督と一緒に買い物してたから」


本当は名前が監督のことを好きなんじゃないかって。オレのためにしてくれてたことなのに、疑ってごめん。

すまなそうに顔をしかめる大河。そんな、元はと言えば私がプレゼントを今日まで迷っていたのが原因なのに。大河が謝ることじゃないのに。なんだか申し訳なくなって、彼の唇に自分のを押し付けた。


「…んぅ、…っ、あの、私の方こそごめんね?」
「名前…」
「それと私が好きなのは大河だけだし、こんなことするのも大河だけだよ」


彼はちょっとだけ目を見開くと、照れたのか顔を少し赤くさせた。


「オレも名前が大好きだ」


にっこり笑って、腰を揺すり始めた。さっきよりも大河のが大きくなっている気がして、奥まで擦ってくる。


「やぁああっそこ、らめっ!」
「名前ココ好きだったな」
「はあっ、あ、ふぁっんっひぁあぁああ」
「く…っ」


びゅく、びゅく、とまた中に出された。二人して荒い息をしながら大河のを見ると優しく微笑んでいた。




「大河」
「ん、どうかしたのか?」
「誕生日おめでとう」
「…名前、」
「それと、生まれてきてくれてありがとう」






―――――


5555のキリ番リクエスト頂きましたこぽりさんに捧げます
アフロディ監督に嫉妬する貴志部くん、でした!
あまり監督が出てきていないのですが笑
ちょっと王道な誕生日の嫉妬ネタにしてみました。嫉妬の要素が薄い気もしますが…!
気にいって頂ければ幸いです
素敵なリクエストありがとうございました!!




120306
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