「クリスマスプレゼントちょうだい」
「あ?」


藍のアホが突然、意味の分からない事を言い出した。
首を傾げると、呆れた様にため息を吐いたコイツは手に持っていた雑誌のページを俺に向ける。


「世間じゃクリスマスなんだけど…やだやだ大人になるとクリスマスも忘れるんだ」
「すっげぇバカにされてるっつーのは分かったぜ……大体、俺がお前に物をやる義理はない」
「同じ事務所なんだし、年上が年下にささやかなプレゼントくらいしてもいいと思うんだけど。それに、僕まだ15歳だし」
「…だからなんだ。俺はお前に使う金はない!」
「…ジリ貧」
「あぁ!?」


このクソ餓鬼バカにすんのも大概にしろよ!と藍の胸倉をつかむ。


「お前よりは稼いでる!」
「…貧乏は否定しないんだ」
「それは事実だからな」
「蘭丸って変に潔いよね」


『僕が悪かった』そう言って目を伏せたコイツに俺の方もなんだかやるせなくなって手を離す。
餓鬼相手に何ムキになってんだか。コイツはまだ仮にも15歳なんだし、クリスマスは楽しみだよな。

仕方ないからケーキくらい…いやでもコイツ人の奢りには遠慮なく甘えるたちだしな…あんまり高いケーキとか要求されても…おい誰だ今ケチつったの。


「あのさぁ」
「なんだ」
「お金かからないプレゼントがあるって言ったら、蘭丸どうする?」

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