第四十八回性癖暴露大会/アオハル



「古今東西ゲーーーム! いえー!」

 彼女が楽しそうで何よりだなあと眺めている。チョコレートに入っていた洋酒で酔ったらしい。お前将来絶対酒飲まねェ方がいいぞ。

「お題は?」

 まあ付き合ってやっても悪くはない。結構クールな方の彼女がここまではしゃぎ倒しているのも珍しい。罰ゲームも定めてないんだ、どうせ国の名前とか簡単なやつでやった挙句なあなあになるやつだ。

「えーっと……よし。ここん! とうざい! 自分の性癖!」

「待て待て待て待て」

 一緒に手拍子なんかやってたらこれである。馬鹿か? 馬鹿なのか? なんでこのテンションでそんな弱みになりそうなもん発表しなきゃならねェんだよ。

「こういうゲームじゃないと恥ずかしくて言えないでしょう? やっぱり円満な恋人関係のためにはそういう趣味を把握しておくのも大事だと思いまして」

「演技か?」

 いつもと違うアッパーテンションの割には比較的整った論理を展開されて少々面食らった。いやゲームの一環としてでも自分の性的倒錯を暴露するのは絶対に嫌だが? 恥ずかしさとは無縁のところで嫌だろそれは。

「ノリ悪いですねー。いきますよ。手袋と袖の間の素肌!」

「ニッチがすぎる」

 初手で出してくる性癖ではないだろ。それもう終盤の出し尽くした時に出すやつじゃん。いやそうではなく。彼女からはキラキラした目を向けられているので答える他ないらしいのだが、それはそれとしてこんなところで暴露していいのかと素直に悩む。

「ほらほらページワンくん。言わないと罰ゲームですよ。罰ゲームは性癖暴露」

「逃げ道が無ェ!」

 っていうかゲームの類は弱かったろこいつ。しりとりですら負ける女なんでこんな得意げな顔してんだ。腹立ってきたな。こうなりゃ意地だわと乗せられてやる。

「あ、あー……うなじ?」

「うわ」

「ハシゴ外すのやめろや……!」

 身震いするジェスチャーをする彼女。本当に覚えとけよお前……!

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