「飛び六胞ページワン並びにうるティ、麦わらの一味、航海士、狙撃手と交戦中。城内二階を移動中」
バオファンへ通信を入れる。いくら全てのメアリーズの視覚を覗き見ることができるとはいえ、その全てを把握するのは難しい。音声で情報くれないと困るんだよねー、などとこの前愚痴っていたのも記憶に新しい。
ページワンくんが負けることはない。戦闘中に慢心するのは悪手だが、味方の私が彼を信じなくてどうする。良くも悪くも懸賞金通りの戦闘をするとも限らない、だから彼を信じている。幸い、彼が一発KOになるほどのウルトラCを相手は持っていないようだし。
「ッ、前方ビッグマム!」
「見りゃわかる! 丁度いい!」
カイドウ様と同じく四皇であるビッグマムは百獣海賊団と同盟を組んでいる。であるならば挟み撃ちにして確実に航海士と狙撃手を仕留めることができる。屋上に居たと聞いていたがここまで引き摺り下ろされたか。まさか彼女にあそこまでの深傷を負わせる奴がいるとは。ああこれは、もしかするともしかしてしまうのでは
![](//img.mobilerz.net/img/j/8212.gif)
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「非道な海賊の世界にも仁義ってモンがあんだろうが!」
は、と言葉も出なかった。何故だ、何がどうなっている。どうしたって、同盟相手であるビッグマムがページワンくんに攻撃を仕掛けている。
「ページワン、くん」
畜生、変な考えするんじゃなかった。流石の彼も四皇の一撃を喰らって無傷なわけがあるまい。変身は解けていないから気絶しているだけだ。大丈夫、大丈夫だから、逸る呼吸、落ち着け。
「ぺーたん……」
「うるティさ、」
撤退を促すべきだと思った。なぜビッグマムが敵対している。言葉からして百獣海賊団の何かが気に食わなかったから、私怨で当たり散らしているのだ。けれどうるティさんが弟をやられて引くわけもないことは百も承知。ああもう、こんな幕引き、真っ平ごめんだってのに!