ツイート一個分で説明しろ/アオハル



「ページワンくんは私のどこが好きなんですか?」

 めんどくせェ彼女みたいなこといきなり言い出したなこいつ。考え中の返答がてら炭酸をストローで啜った。フードコートでそんなこといきなり聞いてくるな。

「百四十字程度で説明してください」

「字数制限あんのかよ……」

 そんなことなら適当に「顔」だのと即答しておけば良かった。っていうか百四十字って何だよ、どうしたってSNSに適したフォーマットで説明しなきゃならねェ。

「顔、性格、体格、以上」

「ページワンくん。百四十字程度で説明しろって問いに十字で答えたらゼロ点ですよ。プラスマイナス十パーセントで百二十六字から百五十四字で答えないと。現代文よわよわですか?」

「てめェ……!」

 握ったジュースのカップがべこりと音を立てる。言わせておけば好き勝手言いやがる。姉貴よりはマシ、と思っていたが最近そうでもないらしい。姉貴とは違う方向性で揶揄ってきやがる。いやそもそも姉貴が基準な時点で終わりなんだけどよ。畜生。

「……ってか現代文欠ったのはお前だろ」

「あれは問題作成者と解釈違いを起こしたんです。ほら、話をそらさないでください」

 こっちは欠点無し、割と要領良くやってんだ。じゃねェ、本当に言葉だけは上手いんだよなこいつ。ストローを噛んで不服をアピールしながら口を開く。

「あー……いや……正直"全部"だからな……説明すんの難しいっつうか」

「ミッ」

「あ?」

 彼女は摘んでいたフライドポテトを持ったまま固まってしまった。彼女が面食らうことはあまりないのでこちらの方が驚いてしまう……と同時に。彼女の鼻を明かしたようで気分が良い。

「私誑しなんですから……」

 本当にお前ああ言えばこう言うな……。

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