君の××になる条件



 わたしの伴侶になる条件ですか? それはもう、わたしが好きな人ですよ。わたしが好きになったらそれで構いません。どんなに愚鈍であろうとも、どんなに弱くあろうとも。何だって構わないんですよ。愚鈍で弱い奴を好きになるのか? 可能性だけ考えたらゼロではありません。恋はいつでもハリケーンという言葉が東の海にあるように、いつどんな相手に恋に落ちるかというのはどんな人にとっても未知のものなのです。まあ、今のわたしは君が好きなのでそんな予定はこれっぽっちもありませんが。仮に君が今の状態から考えられないほど落ちぶれようとも、盲目的に慕い殺します。
 ああそうですね。伴侶というのはずっと隣にいる存在でしたか。わたしの場合は好きな相手を殺してしまいたいので、殺せる存在というのも大前提ですね。殺してしまえばもうその存在は永遠になりますから、わたしの伴侶になる、と言えるでしょう。ちょっと陳腐な言い方ですが「ずっとわたしの心の中に」というやつですね。
 ええ。君は特例中の特例ですよ。いや前例もないんですけどね。あれ、言ってませんでしたっけ。わたし、君が初恋ですよ。初恋。君を偶然見かけて恋に落ちて、追いかけちゃって今に至ります。全てを捨てて、もうそれ以外何もいらない……そんな覚悟していませんよ。ただ、それをさせるだけの衝動があった。後先を考えられなくなるくらいのものが。恋は盲目、その通りだと思います。
 伴侶の話でしたね。つまり総括すると……ページワンさんということです。ページワンさんの隣にいたい。君の隣が良いんです。たとえ地獄行きになっても。すごいですね恋って。頭の中に生クリームしか詰まっていないような思考をいとも簡単にさせてしまうんですから。でもこれは本心です。君のためなら死ねるし、殺せます。ただの気狂いですよわたし。
 そういえば。わたしたちの関係って既に伴侶のそれだと思いませんか? いえ、ふと思っただけで。

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