「あなたはいつも、笑わないね」

「きみの笑ってるところが見たい」
「単刀直入だなあ」
 いつも仮面をつけたままのアヴィケブロンにそうつぶやいた。皮膚病故に彼が顔を見せたくないのはわかっている。それでも好奇心には勝てない。優しい声色の彼はどんなときに笑うのか。どんなふうに笑うのか。
「いや、その、わかってるんですよ?無理させてまで見ようとしてるわけではないと言うか…ただ気になるなあ…と」
「ふむ」
 彼は少し考え込むような素振りを見せる。
「…君は案外助兵衛なんだな」
「すっ…!?」
 言われたこちらのほうが赤くなってしまう。そうだ、たしかにそのとおりだ。隠されているものが気になるなんて、これが変態以外の何だというのだろう。
「ふふ、僕の顔なんかより君自身を見ていたほうが楽しいと思うのだが」
「そんなぁ」
 がっくりと肩を落とすと彼はまた穏やかに笑った。笑い声から想像するとするか…ってそれこそすけべじゃないか!



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