俺の特等席に行くと、そいつはいた。

「今日は良い天気だね〜」

こいつ誰に話しかけてんだ?誰もいる気配ねーのに。気になる。

「お前、誰に話しかけてんの?」

首を捻って、そいつは俺の姿を確認した。

「あ、シカマル君」
「俺の名前しってんの?」
「だって隣りのクラスだし。シカマル君、女の子に人気だから」

ニコリと俺に向かって綺麗に微笑んで、そいつは目の前に咲き乱れている花に優しく触れた。

「ペチュニアっていうの」
「ふーん」
「話しかけるとね、すごく喜んでくれるの」

(・・・こいつ、痛いな)

「話しかけてみて、ね?」

いや、俺はいいっす。手を横にふると、そいつはすげー悲しそうな顔しやがった。

「あ〜、空は青いですね。ほんと、」

って俺なに言ってんだ。ほんとなら今頃のんびり空みて昼寝してる予定だったのによ。めんどくせー。

「ぷぷ」
「なんで笑ってんだよ」
「あはは。だって、あのシカマル君が本当に話しかけるなんて思わなかったから」

こいつがこんなに笑うなんて、びっくりした。

「お前もしかしてさ、ちゃかしてんの?」

そんなつもりじゃなかったのになって言ってまだ笑ってるし。でも、こいつが笑ってくれんなら。まあ良いかもな。


花は 笑う

(そして、オレも 微笑む)



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