女の子には準備がかかるの。それが大好きな人ととのデートなら、尚更ね。

約束の時間には1時間は軽く過ぎていてネジは私の家まで迎えに来てくれた。(ネジは何時もと変わらず無表情だけれども内心フツフツと怒りがこみあがっているのだろう、だって)

「ネジ、眉間に皺よっちゃってるよ?」

そう言うとネジは私の方を見て「悪かった、ごめんな」と謝罪の言葉を発した。

「否、謝るのは私の方なんだけどね」

ネジはまた顔を下げてウトウトし始めた。多分、今までの男なら喧嘩して怒鳴りつけられたりしていただろうし、私も逆に怒ってデートどころじゃ無い状態。だけどネジは私を怒鳴りつけたり急かしたりしないし、私を責め立てたりしない。ただ静がに、私を待ってくれているだけ。そんなネジが大好きだし「悪いな」とも思う、だから急いで準備するとアイラインが寄れたり、何時も余計に時間が掛かってしまって、逆効果。


そんな私を分かってくれているのか無言でウトウトしながら待ってくれている彼が凄く好き。愛おしい。私はまた鏡と睨めっこし始め、時々彼を鏡越しからチラリと盗み見る。

完成まであと少しの所でネジが顔を上げて鏡越しで目が合う。私はまだ鏡の中のネジを見続けていて、鏡の中のネジが私に近づいてくる。

「あ」

と声を出す前に、私の目の前にはネジの顔があって、鏡と私の間にネジの顔。

ネジの顔が近づいて、「チュ」って軽くキスをしてネジは言ったの




(そろそろ準備は出来ましたか?)



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