痛みは既に無い。傷だけが残った。

火事。

それは、私の不注意や怠慢から生じたものだ。誰を咎めても意味はない。原因は私自身のせいなのだから。

「醜い私を見ないで」

ネジ以外にも、複数の男性が私に恋慕に似た感情を抱いていたのは知っていた。自分は美しいのだと、多少の自負を持って今まで生きてきた。それなのに、私の顔は。

「もう私を見ないで」

流れる涙。今の私がそれを流したところで以前の様に誰も救いの手を差し伸べてはくれないのだろう。

「俺は外観や容姿でお前を好きになった訳ではない」
「嘘よ!」

だってこんな顔、恥ずかしくて何処にも行けない。

「お前が満足するのなら俺の顔も同じ様にすれば良い」




モウワタシヲキライニナッテ



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