「シカマル!お願い!髪の毛一本頂戴!」 俺はぽかりと口が開いたのが自覚できた。 返す言葉が出てこない。毎度のことながらこいつの発言には驚かされる。 「お願い!ダメ?」 「ふざけんな。髪の毛一本抜いて何に使うんだよ?」 「ふざけてない!髪の毛一本ぐらいでケチケチすんなケチ!」 普通に髪の毛一本何に使うんだよ、こいつ。阿呆だろ確実に。否、こいつが阿呆だったら阿呆なこいつに惚れた俺は一体何なんだ?面倒くせェ。 色々考えると思わず溜め息が零れた。何でこいつに何か惚れてんだろーな俺。訳わかんなくなってきたし、とりあえず次の授業まで寝るとしようか。 机に頭を置いた瞬間「ブチっ」と髪の毛を勢い良く抜かれた音と頭皮の痛みが押し寄せてきた。 「ちょっ、お前!勝手に髪の毛抜くな!」 「だってシカマルがシカトして寝ようとするからじゃん!」 「だからって勝手に人の髪の毛抜くな!」 「だって!」 「だってだってうるせーよ」 「だって好きな人と両思いになるおまじないには好きな人の髪の毛が必要なんだもん」 (・・・まじで?) 不思議ちゃんな女の子に振り回されてるシカマル。 気に入って頂けたら ぜひ clap |