時刻は夜の8時。 気怠い体を持ち上げリビングに入る扉を握ると名前の声が聞こえてきた。無意識に心臓がドクリと飛び跳ねる。一つ、深く息を吸い込み扉を開ける。今日もなんてことない顔をして無関心のフリ。 「シカマル!どっか変なとこある?」 唐突に何を言い出すのかと思えば、名前はクルリと回り俺に再度質問する。 「ねぇってば!やっぱり変?」 「変ってか、なんなんだよその格好!」 普通にスカート短すぎだろ。ナルトやキバにでも見つかってみろ、色々と想像を掻き立てて止まないだろう。悪い事は言わねぇから、な?頼むからスカートは俺の前だけ履いてくれ。 「それに、なんだよその化粧」 名前は元々そんなに厚塗りしなくても肌とか綺麗だろ。てか、睫毛長すぎだろ。え?偽物?ツケマツゲ?なんだそれ?てかよく見ると瞳の色ちがくね?は?カラコン?なんだそれ?そんなもん目に入れ込んで失明でもしたらどうすんだよ。それとな、その唇のテロテロしたやつ。わざと?まじやめてくれよ。夜にそんな格好してどこ行く気なんだよ。 「名前はそんな飾り立てなくてもいーんだよ」 名前の魅力は俺が一番知ってんだから。ずっと見てきたんだから。だから、今日は大人しく家に居てくれよ。 「やっぱりシカマルに聞くんじゃなかった」 「だから、名前はそんな化粧しなくてもいいんだよ!」 「それってつまりどういう意味?」 「つまり、えーっと、」 「つまり?」 「あぁぁぁー!めんどくせー」 「もうシカマルになんて聞かない!行ってきまーす」 「待てよ!」 あーあ、どうすんだよ俺。無意識突発的に滔々抱き締めちまったじゃねーか。 (好きすぎて俺、バカみたいだ) 気に入って頂けたら ぜひ clap |