あれから私は奈良君に上手く丸め込まれ大人しく家に帰り、両親は家出して帰ってきた娘の容姿の変わり様にビックリしていた。

それからは、いつもと変わらない普通の毎日。

でも、前と変わった事は奈良君の事をシカマルと呼び始めた事と退屈で詰まらなかった学校生活が変わったこと。

学校ではシカマルがこれといって話題は無いのだが一緒にいてくれたし、何故か男の子たちが話しかけてくるようになった。

シカマルと仲が良いチョウジ君とも友達になれたし、シカマルと出逢ってから少しずつだけど、いろんな事が私の周りで変化し始めていた。

蕾に対しても、前のように嫌悪感を感じなくなったし日向君の事もちゃんと受け止めている、と思う。

だって「逃げてばかりじゃ何も変わらない」ってシカマルが教えてくれたから。

シカマルは私の知らない事を「めんどくせー」とか言いながらもちゃんと教えてくれる。シカマルと話していると沢山の事が学べるし、楽しいの。

次に蕾と話す時は、シカマルと話す時みたいに楽しい気持ちになれるといいなぁ、

***

「シカマル!放課後ね一緒にお団子食べに行かない?チョウジ君も誘って。ね?」

そう言いながら俺の方へ走ってくる花、

「っ!、…めんどくせー。」

毎日、毎日、花の変化には驚かされる。俺と初めて会話した、あの雨の日の花とは別人のようだ。

長くて重苦しい前髪、野暮ったい眼鏡、そして外見とは別に内面も大きくプラスに変化したと思う。未だに人と話す時、恥ずかしそうにはするが前のように無視したりはしなくなった。そして俺とチョウジには何かを自分から積極的に伝えてこようともするし、今みたいに無邪気に笑いながら俺を誘ってきたりもする。

「めんどくさい?…そっか、」

ごめんねと笑う花。こいつ作り笑いも出来るようになったな。それは悪い変化なのだけども。

「嘘に決まってんだろ。放課後な。それとチョウジは今日誘うの止めとけ。団子が何個あってもたりねーよ」

そう言って花の頭にポンっと手をおくと下を少し向いてくすぐったそうに微笑み「放課後、約束ね」と言った。

本当はチョウジも一緒でも良かったのだけども、花と二人でいたい、なんてこの鈍感馬鹿に言ってもしょうがない。

「てか、お前睫毛とれてんぞ」

花の真っ白で綺麗な肌に落ちている真っ黒で長い睫毛を取る。

「ありがとう」

そう言って花の大きな瞳が美しい三日月型に変わる。花は表情もコロコロと変わるようになった。

ずっと花を見てたんだから、花のどんなに小さな変化も分かるに決まってるだろ。




どきどき、?



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