教室に入ろうとドアに手をかけると御幸の笑い声が聞こえた。御幸が感情を露わに、大きな声をあげて笑うだなんて珍しい。

ドアを開けると笑う御幸の横には色素の薄いロングヘアーをふわりと巻いた女の子がいた。体は小柄で細く、肌なんて血の気が感じられない程に白く透き通っていて。小さな顔に大きな瞳、まるでお人形みたいだ。

こんな可愛いこ学校にいたっけ?こんなに可愛いこいたならば入学当初から覚えているはずだ。

自然な動作で彼女は御幸の腕に自分の腕をからませる。二人の体の隙間が埋まる。ズキン、ズキンと胸が痛んで唇を噛み締める。

「御幸、そのちっちゃいこ誰?」

そう問いかけると御幸はやっと私に気付いたのか、おはよと簡単に挨拶して彼女の説明をしてくれた。

進級してすぐに入院していたからこんなに可愛いこに気付かなかったのかと納得し、改めて彼女に挨拶をする。握った手まで小さくて可愛いなと思った。

それなのに、御幸が彼女に私の説明をしてくれて御幸と付き合っているのだと伝えると、露骨に嫌な顔をされ嫌悪の視線で私を睨みつけ、眉をひそめられた。


天使な悪魔


その顔には御幸に向けられていた天使の様な笑顔など何処にも無かった。


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