始業式から3ヶ月前、自転車ぶっ飛ばして時速1000キロー!って馬鹿みたいに叫んでたら車と事故った。

入院中もずっと一也のことで頭がいっぱいで、毎日毎日繰り返し一也のことばかり考えてた。

やっとの思いで退院して久しぶりに学校に登校した私は一目散に一也を探した。きっと一也は教室で寝てるかスコアブックを見てるかの二択だと思い、どちらにせよ一也のいる教室までずんずん走る。

勢いよく一也のいる教室のドアを開けて会いたくて会いたくて仕方なかった愛しい彼の名前を呼ぶ。

「一也!」
「お、名前。もう身体は大丈夫なのか?」
「うん。昨日退院したんだよ」
「退院したばっかなんだから、あんま無理すんなよ」

そう言って一也は私の頭をワシャワシャと撫でてくれた。一也に久しぶりに会えるからって綺麗にセットした髪が崩れても構わない。だって、私を見下ろす一也の目は凄く優しい。

「御幸、そのちっちゃいこ誰?」

一也の後ろに私よりはるかに背の高い女生徒が立っていた。短く整えられた髪型が綺麗だな、ととっさに感じた。

「梓、こいつは隣のクラスの名前で小学生からの幼なじみ。一年の時は同じクラスだったんだけどさこいつ人見知りで俺以外と話さなくて、二年に進級してすぐに入院してたから大抵の奴はまだ名前のこと知らないだろうけど仲良くしてやってくれよ」
「そうだったんだ。入院してたって体調はもう大丈夫?これから宜しくね名前ちゃん」

彼女は私の手を握り挨拶し、にっと笑う。

「御幸が女の子と親しげに話してるとこ初めて見たからビックリしちゃった」
「名前は妹みたいででほっとけ無いんだよ」

面倒くせーけどなと付け足して、一也はハッハッハッと独特の笑い声と同時に、私の頭をポンっと軽く叩いた。

「えへへ。一也と梓ちゃんは仲良しなの?」

私の質問に梓ちゃんの頬が赤く染まり、彼女は一息ついてその言葉を吐いた。

「あのね、付き合ってるの」

そう言った彼女に向ける私の眼差しはきっと一瞬で張り詰めて、敵意を含んでいる。この女が一也の彼女だなんて許せない。絶対に。


ふざけた話はよせよ


妹みたいな存在だって思われてるなんて知ってた。それでも良かった。だって一也が面倒くさいから彼女はいらないって、野球が今は大事だからって言ってたから。それなのに、なんで?どうしてよ?


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