それは限りなく恋情に近かった



膝の上ですやすやと眠り続けている名前は鎖骨が露わになった薄いピンクのワンピースをきている。無防備に眠る名前の頬を優しく撫でる。名前が俺に言う「好き」は、家族に対する愛であって、俺が名前に想う「好き」とは全く別物なのだと思う。

「一也。眉間に皺寄せてるけど、考え事でもしてるの?」

名前のとろりと甘ったるい声が聞こえ、細い腕が首に絡まる。

「起きてたのか?」
「うん」

くすりと名前は笑う。

「寝たふりしてたの」

首に絡まったままの名前の白く、細い腕を掴み、引き寄せる。

「か、ず」

俺の名前を言いかけて半開きになった唇に自分のそれを重ね、名前の生暖かな舌を絡ませる。

「っ、やめて!」

名前に身体を押し返されていた。嗚呼、やはり名前が俺に言う「好き」は、家族に対する愛であって、俺が名前に想う「好き」とは別物だったのだ。



泣き続ける彼女の涙を、俺はもう拭えない。


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