きーんこーんかーんこーん

チャイムが鳴り、みんなが席へつくとガラリと教室のドアが開き担任の先生が生徒名簿を持ち入ってきた。

「はい。おはようございます。今日から1年間君たちのクラスを受け持たさせて頂くのでよろしく」

簡単に挨拶を済ませた担任は、一人一人自己紹介していってねと付け加え、それを合図にガヤガヤと教室が賑やかになり笑い声が飛び交う。

自己紹介とか面倒くせー。机に突っ伏して横を見ると、うーんと頭を抱え苗字は真剣に自己紹介について悩んでいる様子だ。

俺は先程の苗字の突飛な発言に悩まされ頭痛がしてきたというのに、こいつはさっきの出来事などもう忘れているみたいで、自己紹介をブツブツとシュミレーションして呟いてるし、俺の考え過ぎで苗字からしてみたら深い意味の無い発言だったのかもしれない。

「はい。次は倉持君お願いします」
「え?!」

悶々と苗字について考えていたもんだから自分の自己紹介は簡単に名前と部活だけ言って席に座っちまったせいで俺はクラス中から無愛想なヤンキーというレッテルを貼られ、最悪な新学期のスタートダッシュをきってしまった。これも全ての原因は苗字のせいだ。

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テーマ「人外ファンタジー」
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