「鳴の肌ってつるつるで本当に綺麗だよね」

唐突な私のこの投げ掛けに、鳴はスポーツ飲料で喉を潤しながら、ちらりと横目で私を見て、そうか?と首を傾げた。

「うん。洗顔料なに使ってるの?」

ペットボトルを机に置き、野球雑誌に手を伸ばし表紙をめくる鳴の頬を繰り返し撫でる。

「やっすい固形石鹸。昨日は風呂場で横に並んだカルロスのなんか適当に使った」
「…そんな適当な感じでこのクオリティーかあ…」

毎日炎天下の中、紫外線をがんがんに浴びている筈なのに鳴は他の野球部員よりも白い部類で、勿論シミなど一つもなく、キメの整った綺麗な肌をしていた。

黙々と雑誌に集中し、一向にこちらに顔を向ける気配の無い鳴をまじまじと直視する。普段、鳴の顔を恥ずかしくこんなにも直視出来ないが、肌だけではなく、小さな顔にすっと伸びた形の整った鼻だとか、雑誌を見て伏し目がちになった目を縁取る長い睫毛だとか、ほんとに鳴の顔は細部まで綺麗に整っていて、繊細だ。

「鳴もニキビとか出来たりするの?」
「たまにできるよ」
「そうなの?」
「うん。名前と喧嘩したときとかストレスでできちゃう」
「…女子か」

私の突っ込みに鳴は珍しく素直に声をあげて笑い、手をこちらにすっと伸ばし、私の頬をつねる。

「名前も鳴様には劣るけど女子みたいにに白くて柔らかい肌してんじゃん」
「女子みたいじゃなくて女子だからね!」

からかうような口調で鳴は冗談だって、と言って軽やかに笑い声をあげ、むくれる私の頬を掴んでは引っ張ってを繰り返し、柔らかい、と再度呟いて、頬にキスを一つ落とした。


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