風の強い日



天気が良いから屋上で一緒にたべようよ、と手に弁当をぶら下げてニコリと笑う名前の提案に俺は素直に頷き、名前の後ろをついて屋上までやってきた。

「やっぱり、天気がいいときもちーね」

うーん、と名前は両手を前に出し背伸びをしたのだが風が強いせいもあってかスカートがひらりと大きく揺れ、名前の白く平気女性よりも華奢なその太ももがチラチラとこちらをのぞいてくる。

「お前、スカート短すぎ」
「えーこれぐらい普通だよ」
「ふざけんな!いいから今すぐ短くしてんの直せ」
「昨日もこれぐらいの長さだったのに…、急になんなのさ」
「いいから早くスカート降ろせ」

ブツブツと文句を呟きながら名前は短かくたくし上げていたスカートを溜め息と共に下げ降ろす。

「…これぐらいの長さで良い?」
「もっと長くしろ」
「えー。じゃあこれぐらいは?」
「さっきと全然変わってねーだろ」
「…一也、なんか風紀指導の先生みたい」
「ごちゃごちゃ言ってないで早くその短くしたスカート直せ」

だってこれ以上スカート丈長くしたらダサくなっちゃうんだもん、と頬を膨らませて名前が言ったと同時に勢いよく強風が吹きあげ、名前のスカートを大きくゆらゆらと揺らして垣間見えた黒い繊細なレースに目を奪われる。

「ふ!ざ!け!ん!な!早くそのスカート長くしろ!今すぐなおさねーなら今後一切外で弁当なんか食わねーからな!俺以外の野郎共にお前の太ももだけならまだしもパンツなんか見せてたまるか!」


全てを独占したい


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