名前とはクラスでもよく会話する方だったし、俺に多少なりとも好意を抱いているだろうなと自負していたしこの告白もすんなりと受け入れてくれるだろうなと自信はあった。



舌の先から一つになろう。



「御幸のことは格好良いとも思うし一緒にいても楽しいし、好きだって言って貰えて凄く嬉しいんだけど…」

元彼がずっと忘れられないの、と名前は大きな瞳からぽろりぽろりと涙を零した。

「前に言ってた、二年ぐらい付き合ってたって人?」

こくりと名前は頷いて、スカートの裾をぎゅっと握り下を俯く。

「…そっか」
「ごめんね」
「名前は悪くねーよ」

未だ下を俯く小さな頭を優しく撫でる。

「俺がそいつのこと忘れさせてやるとか言わねーけどさ、」

名前の華奢な肩を抱き寄せる。

「俺をそいつよりも強く覚えさせてやるよ」

抱き寄せた勢いのまま、突然の事に驚き半開きになった名前の唇に強引に舌を侵入させ、逃げる舌を絡ませて充分にキスを楽しむ。

一頻りそれを楽しんでから唇を離すと名前は肩で息を切らし、口元の端からはだらし無く唾液を垂れ流したまま、弱々しく俺の胸板を押しのけた。

「っ、やめて!」

本気で止めて欲しい様には見えなかったけど、とにやりと口角を上げる俺を睨み付けて真っ赤に頬を染めた名前の涙はもう止まっていた。


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