「・・・一也」
「ん?」

そんなに人の顔をジッと見ないでよ、と顔をずいと近付けて私の顔を見続けるている一也の肩を押す。

「いいじゃん。自分の彼女の顔ジッと見てちゃ駄目なの?」
「恥ずかしいから、やめて」

顔に熱が集まって、身体が火照る。顔が赤く染まるのが自分でも分かってしまう程に、熱い。

「照れちゃって可愛いー」

悪戯を企む子供みたいな顔をしてニヤリと口角を上げ、一也は私の頭をくしゃりと撫でた。

「からかわないで!」

数センチ前にある端正で綺麗に整った一也の顔を睨む。

「そんな怒んないでよ」
「じゃあ何でそんなに見つめてくるの?」

理由を教えてくれないと許さないよと頬を膨らます。

「だってさ、名前の顔に」

可愛い目と、可愛い鼻と、奪いたくなる唇が付いているんだもんと一也の形の良い唇にそれが塞がれた。



ちゅっちゅらちゅっちゅ



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