「倉持ー!彼氏にふられちゃったよー!うわーんっ!」


涙と鼻水ながしながらクラス全員の視線が集まる中、その視線を気にもせず名前は抱きついてきた。


「おい落ち着けよ!なんでふられちまったんだよ」
「うわーんうわーん」
「泣いてばっかじゃなにがあったかわかんねーよ」
「うわーん!・・・ズビーッ!!」
「おい!俺の制服に鼻水つけんじゃねーよ!!!」


名前はずっとサッカー部のやつに片思いしいて半年前にやっとの思いでそいつに告白して付き合いだしたわけで、俺はずっと名前の相談役で、名前の恋が実った瞬間に、俺の初恋は儚く散ったわけで、名前がそいつと幸せになりたいのなら全力で名前を応援しようとに俺は黙って身を引いてやったのに、なんで、なんで名前がそいつにふられなきゃなんねーんだよ。


「お前より可愛くてスタイルよくて料理もできるこに告白されたし別れてくれって言われちゃったよー!うわーん!半年も付き合ったのなんて初めてだったし、初めてのことばっかだったのに、ひどいよーーー!うわーんうわーん」
「この野郎。俺がそいつを一発ぶんなぐってくる!」
「名前も倉持も落ち着けって」
「御幸ーーー!うわーんうわーん!もう男なんて信じなれないよー!」


まあまあ落ち着いて、はい深呼吸って御幸は名前を椅子に座らせ宥めて、テッシュで鼻水を拭いてやっている。名前の泣いてる顔みてたらなんだか胸が痛くなってきたし俺まで泣きたくなっちまった。ちくしょう。名前を振るなんて。名前をこんなに悲しませやがって。


「グスン。御幸、もう男なんて信じられないよ」
「大丈夫。きっと名前さんを一番に思ってくれて一番大切にしてくれる人が必ずいるはずだから」
「いるわけないよ。こんな私のこと思ってくれる人なんてもうあらわれないとおもう」
「・・・名前」
「倉持?」
「俺は名前がそいつに告白する前からずっとお前のことが好きだった。ちゃんといるんだよ。お前のこと好きなやつは、ちゃんと」



だいじなあの子のかなしみ



「・・・なんで倉持ないてるの?」
「わかんねー、けどお前が泣く顔みたくねーんだよ。俺まで悲しくなっちまうんだよ」


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