一生のお願いだから一度でいいから試合を観に来てくれと駄々を永遠こね頼み込むと名前は仕方ないなあ、と言って試合に来てくれたのだが、普段学校では化粧っ気ゼロなのにバッチリと化粧してて服なんか肩が出てるワンピースだったり、夏の日差しで汗ばんでる肌だったりで、名前の周りにいるオッさん共の視線も気になって気になって、とても試合どころではなかった。(勿論試合には勝ったけどさ)


「鳴ちゃーん!試合お疲れ様!かっこよかったよー!!!」
「・・・ありがと」
「ん?なんで鳴ちゃん不機嫌なの?頬っぺた膨らましてかわいー!」
「馬鹿にすんな!俺はいま怒ってんの!」
「え、なんで?なんで怒ってんの?」
「名前がそんな可愛い格好してくるから、みんな名前見てたし。心配で心配で試合に集中できなかった」
「・・・ごめんね」


そう言って名前は下を向いてボソリと呟いた。学校以外で初めて鳴ちゃんに会うからオシャレしただけなのって。


「そういう格好は俺だけの前だけにして」
「・・・うん」
「明日学食でプリン買ってあげるから顔上げて」
「え、プリン??!」


先程まで泣きそうだった顔から満面の笑顔にかわって名前はプリン絶対に約束だよ!って飛び跳ねた。



安いもんだ。



プリンひとつで満足する彼女も、彼女の笑顔ひとつで満足する俺も。


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