「お願いがあるの」


小学生からの幼馴染みが、真面目な顔して言ってきた。


「なんだよ」
「あのね、私のファーストキスを鳴にしてほしいの」
「はあ?急になんなんだよ。お前とうとう頭いかれっちまったのかよ?」
「お願い」
「ふ!ざ!け!ん!な!お前とキスするならブタとキスするほうがマシだ!」
「お願い」
「・・・なんなんだよ、急に」
「私ね、あと一ヶ月後に死んじゃうんだ。鳴には野球があるから迷惑かけたくなかったからずっと秘密にしてたの」


嘘だろ。絶対に嘘だ。こんなことならもっと早く、正直に名前に伝えとくんだった。


「俺はずっと前から名前のことが好きだったのに」
「・・・嘘よ」
「嘘なんなじゃない!名前が好きで好きで仕方なくていつも俺は名前に思ってもない酷い事ばっか言ってばっかで。もっと早く素直に気持ち伝えとけば」
「鳴、そんなに泣かないで。泣きすぎて鼻水でちゃってるよ」
「だって、ずびっ、名前が」
「あはは!ひっかかってやんのー!全部嘘にきまってるでしょ」


なに本気で信じちゃってんのと名前はケラケラと大口開けて笑いだした。


「お前っ!騙しやがったな!この鳴様を!」


笑い転げてる名前を見てこいつとキスするぐらいならやっぱりブタとキスした方がマシだと改めて思った。



へそまがり



「私も鳴のこと大好き」「・・・俺もっ」


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