第七班演習日和
「カカシさんだと!?」
「うん、マスクしてるヤツ」
「……そうか…カカシさんか…」
この歯磨きをしている男の子はうちはサスケ。晴れてアカデミーを卒業し、昨日班員と担当教忍が決まったらしい。
サスケに担当教忍の名前を聞いて声を荒げたのはうちはイタチ。サスケの兄である。
「あら、カカシさんは優秀な忍じゃない」
「そういう問題じゃないよ母さん…」
「本当に強いの?昨日、ナルトの仕掛けた黒板消しトラップにもろに引っ掛かってたんだけど」
「カカシさんは強い、それは確かだ」
「…じゃあなんで兄さんそんな反応なの?」
「オレは暗部時代、カカシさんにお世話になっていた…だが困っていたことがあってだな」
「困っていたこと?」
「……イ…イチャイチャ…パラダイスとかいう…如何わしい本を薦めてきたり、」
「…はあ」
「彼女出来たのかとか、お前は実はムッツリなんだろとか…」
「…はあ」
「そして何と言ってもやはりあの遅刻癖…!!まとめるととにかく変態でダル絡みが激しい遅刻魔だ!!気をつけろ、洗脳されてはダメだからな!!」
「……なんか良くわかんないけど、わかった」
「もうイタチったら大袈裟ねぇ…サスケ、カカシさんはうちは一族ではないけど、写輪眼を持っているの。もしもの時のために、カカシさんがあなたの教師になったんだと思うわ」
「へえ、一族以外のヤツが写輪眼使えるなんてな」
「ところでサスケ、今日は何があるんだ?」
「演習だって、第七班全員でやるらしい」
「班を結成して間もないのに、もう演習なんて早いわね」
「カカシさんの演習か…あまり無茶はするなよサスケ……足をくじくぞ」
「足くじくの限定?」
「…カカシさんは本当に強いぞ?サスケにもしもの事があったら、オレは…オレは…」
「演習くらいで大袈裟だなぁ…それじゃ、オレはもう行くからね!行ってきまーす」
「あ!サスケ!待て!」
「行ってらっしゃーい、気をつけるのよー」
ガラガラガラ、と扉の閉まる音と同時にイタチは脱力したようだ。どうやらサスケのことが心配でしょうがないらしい。
「イタチ、あなたも早く食べ終わって仕事行きなさい!」
「分かってるよ…でも今日は書類整理なんだよ…別にオレじゃなくても…」
「何言ってんの、お父さんの手伝いなんだから行ってきなさい!」
「だって父さんまだ寝てるじゃんか…ずるいだろ…」
「……あなたこそカカシさんの遅刻癖うつったんじゃないの」
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