見た目よりも大事なもの
「デイダラ、あの小娘殺って良いか」
「良い訳ねーだろサソリの旦那あれでも一応新入りだぞ」
向こうも向こうで第一印象は最悪だ。女は嫌いだって顔した見かけ通りやっぱり女は嫌いらしい。
「その内殺しそうだ」
その内サソリさんとやらが殺しに来るかもしれない。
その時こそ中のサソリさんが見られると思ったけれど、見る事はなかった。
「やっぱり天才造形師じゃなかったんですね第一印象から知ってましたよ」
外のヒルコさんとやらが殺られたからだ。
恐る恐る中を見れば、ものけの空でサソリさんとやらが居る様子は無かった。
やっぱり人は見かけだ。
こんなのがサソリさんだなんて無いと、第一印象の見た目から疑っていた。
「どこに目ェつけてんだ、テメーは」
「…………!え、あれ」
自分で見た目も疑う。
確かにヒルコの中を見たらものけの空だったのに、サソリと名乗る人が現れたのだから。
「えええ、あなた本当にサソリさんですか!無理あるでしょうよ!」
どこから出てきたのだと見てみたら、ヒルコの外に居た。ヒルコの中に居るとしか聞いていないのに。
「無理ねーよ、ヒルコが殺られたんだからな」
中から抜け出したんだと言い張るその人の見た目ときたら推定十代の幼い少年だ。これのどこが天才造形師のサソリさんなんだと思ったのに、どうやらこれがあのサソリさんらしい。
ヒルコという傀儡人形だけでなく、三代目と言う傀儡人形も見せつけてきたのだから。
「言ったはずだ」
人は見かけによらない。
確かにデイダラさんには何度も言われた言葉だ。 ヒルコの中には天才造形師であるサソリさんが居るのだから、心配するなと。
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