6.話し合おう
風と共に現れた男の人はまだ聞きたい事があるという。
変わった能力を持っている事からもしかしたら私たちより詳しく情報を持っているかもしれない。なら、まだ話す価値はある。……なんだか信用出来ない気はするけど。
「いいわ、お話しましょう。その為に一度この場を去るわ」
「じゃ、僕たちは逃げればいいんだね」
「え!でもどうやって…」
目の前にはアミィと複数のアンノーン。キャロルと名乗る男の人はさっき時間切れと言っていた。多分さっきの能力は使えない。ジェイの能力は戦闘向きではないし…。
どうすれば…。
辺りを見回す。そして一つ、逃げる方法を思い付く。
運が良かった事、それは此処は商店街で建物が近くにあった事。
「私が能力を出したら二人ともすぐに逃げなさい」
二人の返事を待たずにアミィと対峙する。
「ちょっと、あまり待たせるなんて失礼じゃない?」
「それはごめんなさい、ね!!」
語尾と共に出来る限りの炎を出し建物を焼く。焼かれた建物は私とアミィの間(いくつかのアンノーンを下敷きにして)倒れていく。
「葬歌ちゃん!!」
振り返りジェイの声がする方へ走り出す。
……上手く撒けたかしら。
追ってくる様子はなさそうだけど。
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