4.宝石は渡さない







「どうしよっか?」


私達の目線の先にいる3人。見た所和やかな場面ではなさそうだ。対峙しているのを見る限り、仲間割れ…もしくは…。

「…どちらかがアリスと繋がっているかもしれないわね」

「アリスと?」

「もしかしたら、アリスの宝石を奪う側と護る側の方が対峙しているのかもしれない。護る側の方はアリスに会った事がある、アリスを知っているかも」

「じゃあ聞いて教えてもらえれば…!」

「アリスに会えるわ!」


小声で話していると3人に何か動きがあったようでジェイを見ていた目を3人の方へ戻す。
そして呆然としてしまった。

「いない…?」

視線の先には白の男の人しかいなかった。

「あれは奪取と守護、どっちの人かな?」

「わ、わからないわ…」

逃げたのは2人組、もしかしたらあの2人が奪う側…だとすればあの男は護る側、もしくは奪う側かもしれない(奪う側の衝突も有り得る)。
考えているとジェイの声がした。

「葬歌ちゃん!あの2人…戻ってきたよ!」

顔を上げればもう戦闘が始まっていた。戦闘の末、白の男の人から落ちた物、黄色の男の人が手にした物、あれは…赤い……宝石…。
それを手にした2人は走り出した。


「ジェイ!!」

「! そ、葬歌ちゃん!?」


ジェイの手を掴み走り出した。…逃がすもんか。宝石は、渡さない。

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