青春を部活に捧げる | ナノ



「ええー!?あっちの部長さん手術なんですか!」

先生が電話していた相手は彼女とかじゃなくって部長さんでした。いやまあ、彼女じゃなくてちょっと残念な気もしたんだけどね。なにが残念って盛り上がりが欠けてしまうことだよ

「僕、あの人が部長だと思っていたよ。手塚部長にも似てるし」
「先生はぶちょーじゃないよ。先生だよ」
「うん。よくわかんないや…」

カツオくんにはあたしの日本語が伝わらないようだ

「先生…先生じゃなかったんだ…」
「うん。副部長らしいね」
「あたしはちょっとショックだ」
「うん。そうだね」(よくわかんないけど)

カチローくんはあたしに共感してくれた。よき理解者だよ彼は

「ていうかなんでお前が立海の副部長のこと知ってんだよ?」
「うん?成り行きで」
「は?」

堀尾くんは……じゃじゃ馬なんだな、うん


「あ。赤也さんと試合なんだ…不二先輩。勝てるかな…。前に越前くんとやったけど…勝てるのかな」
「ねえ、それ俺負けたの?」
「さあ〜〜?」
「教えてよ」
「え?勝ったらね」
「……………」
「不二せんぱ〜い、できるだけがんばってあげて〜」

えっへっへ。越前くんの上に立てた気がするぜ。それにしても、赤也さんもすごいけど不二先輩もすごいな

「不二先輩なら赤也さんに勝てるかもね〜」
「…………」
「あれ?どうしたの越前くん。顔色悪いよ」

越前くんがあまりにも目を見開いてるから目線の先をたどってみると、赤也さんの目がまた赤くなってた

「もしかして越前くん、こわいの?」
「…なわけないじゃん」
「あれ、手震えてるよ」
「!」
「うっそー」
「…………」
「いだいいだいいだい!ほっぺたちぎれる!」

両頬をつねられました。赤くなってませんか?

「いったいなー…。ほんと越前くんは手加減ないんだから」
「………」
「ね、ちょっと。なんでまた驚いてんの?」
「不二先輩……」
「え?」

「不二先輩にボールが当たった」

2011/1/17