青春を部活に捧げる | ナノ




「いったいぜんたいどうなってんだー!!」

おそようございます。上原愛子です。寝坊してしまいました。しかもよりによって今日は男子テニス部の関東大会決勝戦っていうときに…大事故です。どうしよう。もう試合が終わってたりしたらどうしよう。ちっくしょー!誰だよ目覚まし時計を壊したやつ!あたしだよちくしょー!なんか寝ぼけて殴ったら秒針止まっちゃったよ。あたしの拳怖い




「って、なんで氷帝がいるんですか」

「うおっ、びっくりした…。お前また来てんのかよ!」
「嬢ちゃん、また青学の応援か?」
「はい。恒例行事なんで」

やっぱ決勝戦だからこんなに人が多いのか。氷帝の人たちがいるのも納得いくけど…。どうやら今日は大将とボディーガードがいないらしい

「青学の試合もう始まってるよ。早く行かなくていいのかい?」
「えーとですね、あたし寝坊しちゃいまして」
「はっ、激ダサだな」
「目覚まし時計を拳で止めちゃいまして」
「…激ダサだな」

自分でもびっくりです。身長が馬鹿でかい人と逆越前くんに心配された


「向日さん、なんですかこいつは」
「ああ、お前知らないんだよな。青学の女だよ」
「あ!もしかして、越前くんと戦って負けた人?」
「…向日さん、なんなんですかこいつは」
「わかる。むかつくのは十分わかるぞ」

この人、あれだ。あたしが真似した古武術みたいなのを使う人だ。わー、間近で初めて見た

「君、あれだよね。青学のマスコット的な子」
「いや〜ん照れます。どなたか存じませんがうれしいです」
「……あ、ああ、どうも」
「萩之介はこの子と会うてへんからなあ」

「えっと、名前なんて言うんですか?あたし上原愛子です」
「滝萩之介です」
「どうぞよろしくお願いします〜」
「…日吉若だ」
「しが多いですね」
「…………」

「いひゃいいひゃい!ちょ、ごめんなさい!ジョークです今の!」

いったー…。ほっぺめちゃくちゃつねられた…。これ腫れたんじゃない?赤くなってない?


「で、こんなとこにいていいのかよ」
「せや。嬢ちゃん、今えらいことなってんで」
「えらいこと…?」

得点板を見ろと、言われて見てみると







「いったいぜんたいどうなってんだー!」

「なに、いたの」
「さっき来たの!ねえ!なんで負けてんのさ!?」
「さあ。俺出てないから知らない」
「おまっ、関東大会優勝にこだわらないのかチョップ!」
「甘い」

はっ、よけられた

2011/1/7