青春を部活に捧げる | ナノ








「…テカメガネ先輩」
「なんだ上原?」
「あのですね、先輩なら分かると思って。あたし、越前くんに避けられてるんですけどなんでですかね?」
「さあな。だが、俺のデータによると、目が充血しているのを見て越前は倒れたくらいだ。お前の目が赤くなってるからもしかしたらそのせいかもしれないな」
「あ。そういえばテカメガネ先輩も赤く…なってませんね。テカってて見えませんから。白で」
「お前は俺のメガネの中の瞳をちゃんとみてくれ。赤くなってるから」
「口説き文句ですか?残念ですがときめきません」

目か。そうだ。昨日は結局越前くんの家に泊まって、越前くんと同じ屋根の下にいるって興奮して、全然寝付けなくなったんだよね。目が赤くなってるのはそのせいか

…でもなんで越前くんはそれで倒れたんだろ?朝もあたしの顔見て倒れたんだよね。ほんと失礼な。赤い目…そういえば赤也さんの目もあのとき赤くなってたなー……………あ



「ねえねえ越前くん」
「うっさい。近づいてこないでくれる」

あたしは越前くんをつけまわして赤い目をこわがる理由を聞き出そうとした


「あたしから逃げてるのって赤也さんの目が赤くなって怖かったたからだよねー?」
(ぎくっ)「は?なんのこと」
「えーこの前試合したじゃーん。あのとき赤い目の赤也さんに痛めつけられたから同じ赤い目を見て怖がってんだよねー」
「ば、馬鹿じゃないの?俺がそんなことで怖がると思ってるわけ?」

お。なんかけっこう優位に立ってるぞあたし。越前くんを翻弄してるぞあたし!強がってるところが逆におかしいぞ越前くん!



「ていうかさ越前くん、これからどこに行くの?」

つけまわして何分後、気づいたら越前くん家とは違う方向に向かっていて、むしろ街中に出ていた

「は?べつになんでも…。ていうかあんたしつこい、帰ってくんない?」
「えーいいじゃん、どこに行くかくらい教えてくれたって」
「…」
「じゃないとひざの原因みんなにばらしちゃうぞ☆」

といったら越前くんは悪魔だとあたしに言った


「………薬局」
「え?薬局?」

すると越前くんは歩いていった先の薬局に入り目薬コーナーに行った。え、そんなに怖かったの、赤い目


「…ほら」
「へ?」
「あんた、早くその目治してくんない?気味が悪いから」

あたしは越前くんから目薬を受け取り、お礼を言った



「…なんか越前くん、可愛いね」
「は?…うるさい」
「なんだかんだであたしのこと心配してくれてるし、いいやつではないですか!」
「……帰るよ」

あたしは越前くんの後ろをついていき、それぞれの帰路へと帰っていった




関東大会決勝二日前のこと

2011/1/6