青春を部活に捧げる | ナノ






「…にしても、二人でデートか?あんたら」
「えっ、そんな…デートだなんて」
「ちがうから」
(がーん…)

切原さんが近くに通ってるテニスクラブがあるからそこで試合をしようってことになって、ただいま移動中。切原さんのとなりにいる髪が薄い、むしろ無い人はあたしたちのことをじろじろ見ながら歩いてた


「こいつが噂の越前リョーマか?」
「そうそう。青学のルーキーで超生意気って噂」
「あー大当たりです切原さん」
「んで、この女は?」
「こいつは女テニの一年。上原愛子、だったっけ?真田副部長のこと先生って言ってるんすよ」
「ああ…」
「ところで、あなた誰ですか?」
「俺はジャッカル桑原だ」
「ああ。じゃこさんですね」
「はっ?」
「あ。気をつけてくださいよジャッカル先輩。こいつも越前リョーマに劣らないくらい生意気っすから」

どうやらあたしも生意気で有名人のようだ。越前くんは自慢じゃないって言うけどさ


「お前ら付き合ってねーのかよ?じゃあなんでこんなとこに来てんだ?」
「えっとですね、切原さんに会いたくなっちゃって〜…」
「ネット壊したんだよね」
「はあ?」

言うなばかあああ!それ言うのやめてよ!あたしが怪力女として有名になっちゃうじゃないかー!いやだーー!


「まあなんにせよ、よくもまあこんな遠いとこまで来たな。あ。俺のこと赤也でいいぜ、お前のことも愛子って呼ぶからさ!」
「了解です!赤也さん、じゃこさん」
「なあ、そのじゃこってやめね?」
「えー」

2010/11/24