「それにしても、ラケット3本もガットが切れるなんてすごいね」 「ネットぶち破る奴よりマシだと思うけど」 「えーラケットのほうがすごいよー」 あたしはネット、越前くんはガットの張替えを頼んで、もらって、ひさしぶりに二人で話した。行くときも話しながら走ってたけど、さすがに疲れてへとへとだったから。途中二人とも必死すぎて無言だったし 「それにしてもあんた、女じゃないでしょ。あの距離をついてくるなんて」 「はっ、あたしの体力をなめんなよっ!ぶちょーや大石先輩に走らされるだけのことはあるんだ、ぜっ!」 「体力だけは超人すぎ。他はだめだけど」 越前くんはあたしの日々の辛さを知らないからそういえるんですよ。あの苦痛の日々は大変だった。毎朝の筋肉痛はほんと最悪でした。おかげで筋肉むきむき。でもさすがのあたしも、ネットは重すぎたのかちょっと疲れた 「ね、越前くん」 「なに」 「ネット一緒に持ってくんない?」 「べつにいいけど」 「ほ、ほんと!?」 めっずらし!越前くんが!あの越前くんがあたしに優しさを見せてくれたよ!なんて珍しい。飴でも降るんじゃない? 「…………」 「じゃんけんで負けたからあんた持ってね」 まあ、こうなることは今までのデータで推測済みだったんですが。じゃんけんで勝ったら持ってやるという条件で見事負けてしまったのであたしはネットと余分に越前くんのバッグも持つ羽目になってしまった。う、動けない…。鬼め、悪魔め、越前くんめ、こんなか弱い女子にここまでさせるのか… 「負けたあんたが悪いんでしょ」 「だからってテニスバッグはなしでしょ…」 「ファーイト!」 「めっちゃ腹立つ。こいつめっちゃ腹立つ。あとで覚えてろよ!!」 すると、越前くんは急に足を止めたからあたしは持っていたものすべてを置いて息をついた。なに見てんだろ、越前くん。越前くんの目線の先を見てみると、切原さんの声が聞こえた。切原さん?なんでここに…そっか、ここ神奈川だ なにやら青学のことを話してるみたい。…あーあ。なめられちゃってるねこれ。まあしょうがないんだけどさ、ぶちょーいないし、大石先輩病気だし(精神的に) すると、越前くんは黙ってられないのか、切原さんに勝負を挑んだ 「ねえ、俺にも本当のテニスって奴教えてくんない?」 「高くつくかもよ…越前リョーマ」 ほんとに越前くんは、喧嘩っぱやいんだとあたしは改めて思いました 2010/11/17 |