青春を部活に捧げる | ナノ



「ぶっははは!なにそのハチマキ。なんで帽子の上にハチマキ!?」
「………あんたの前のおでこよりはましだよ」
「ぐはははは」
「聞いてないし…」

越前くんもハチマキをするなんて、いやさせてるのか。大石先輩が。最近ほんとキャラ変わっちゃったしなあ。この前なんて不動峰の皆さんが来たとき、走るのさぼって案内させたから大石先輩にばれてまた走らされたし。厳しいよ、大石先輩…

「俺、今から試合だからこれもっててくんない?」
「えっもうはずすの?ハチマキ」
「あっても邪魔だし」
「大石先輩ー越前くんがこんなだっせえハチマキいらねーよって」
「っ馬鹿!」

なんだい?と大石先輩がこっちを振り向くと、あたしの口は越前くんの手によってふさがれ、代わりになんでもないっすと越前くんが弁解した。あせった越前くんなんて初めて見た。まだ手が口から離れない

「…えちぜんくん?」
「……ん、あ。ごめん」

越前くんはさっと手を離してようやくちゃんと話せるようになったけど、越前くんはそれほどまで大石先輩が怖いのかな


「あれ?越前くん試合じゃない?」
「あ。ああ…」

「この試合も絶対勝ってね!」
「どうしたの。急に」

あたしはあの越前くんモドキの人たちのことを思い出した。偽者越前くんは本物越前くんに倒されればいいんだよ。そう思ってあたしは越前くんにお願いをした


「今回は特別に、負けたらあたしの弁当を食べてもらうってことで!」
「…………………」
「そんな嫌そうな顔すな」

あんたの料理は乾先輩のよりやばいと思うから?やかましいわ!

2011/12/03