青春を部活に捧げる | ナノ




「青学の生徒か」
「はい。えっと真田先生でよろしいでしょうか?」
「先生?」
「弦一郎。顧問だと思われているぞ」

あれっ、ちがうのか?まあいいや。青学にこんな先生いるし


「お前こんなとこいていいの?手塚さんの応援すんだろ?」
「いや、あたしの代わりに彼女が応援してるんで」
「…彼女!?手塚さんに彼女いたのか!?」
「ああ、そんなデータが入っていたな」
「た、たるんどる!」

え?脂肪がたるんでるんですか先生?でもやっぱ驚くよね、ぶちょーに彼女がいるなんて、しかもしょーこ先輩だったなんて。最初口が閉じませんでした




「あの、なんでぶちょーの試合見にきたんですか?」
「手塚とはいろいろと縁があってな。偵察に来たのだ」
「あー切原さんじゃなくて先生が幼なじみでしたか」
「そうだ」
「真田副部長、先生って呼ばれても違和感ないっす」

でもなんか分かる気がする。だって同じ世代を生きてそうだもんね

「ところでお前は青学女子テニス部の一員らしいな」
「え、なんで知ってるんですか」

そんなデータがあったことを思い出した、と目をつぶっている人はぶちょーの試合を見ながら言った。そんなデータってなんですか。頭の中で更新されていくんですかデータって

「柳先輩は立海のプレーンなんだよ。なんでも知ってるってわけ」
「へえ〜そうなんですか!じゃああたしの恋愛運とかわか…」
「恋愛運は知らない」
「ですよね」

でもデータ〜だなんてテカメガネ先輩と同じようなこと言う人だなあ、この人。なんかノート取ってるし、デジャヴだ

「もしやテカメガネ先輩の双子!?」
「なにいってんのアンタ」



「ところで、あそこで怖い顔をしている女子はもしかして、お前の先輩じゃないのか?」
「へ?」

ヤナギ先輩という人があたしの肩をとんとんとたたき、指をさしてまで教えてくれた。怖い顔?………………はっ、ゆーちゃん先輩だ。な、なんかオーラが恐ろしい…!ていうか逃げたのばれてる!試合の最中に逃げてきたから…。だってぶちょーだから大将なんか倒しちゃうだろうと思ったから




「どうもー、こんにちは〜」
「青学の、テニス部か?」
「ええ。沖野といいます。愛子がご迷惑をおかけしましたー。ほら行くわよ愛子!」
「えーちょっとゆーちゃん先輩!いだだだ」

あたしはユニフォームの襟の部分をつかまれひこずられ、あんたはなにをどうやったらあんな有名人とお友達になれるのか、と若干うらやましがられながら青学のコートへと連れて行かれた

「ちょ、ぶちょーは勝ってるじゃないんですか?行かなくてもいいじゃないですか!」
「確かに、手塚先輩が負けるはずはないんだけど!おかしなことになってるのよ!」
「おかしなこと!?ちょ、先輩くるし…」



「手塚先輩、ひじを怪我してるのよ」

「え……?」


2010/9/26