青春を部活に捧げる | ナノ



「なんですかあのド派手な大将は」
「あれが本来の跡部、いや、もともとの跡部だよ」

大石先輩が丁寧につっこみをいれてくださって、初めて大将ってすごいんだなって思いました。なんだあれ。あのパッチン一つで大歓声が消えましたよ?どんだけパッチンの音でかいんだ。きっと動作だけで判断してるんだろうな、うん、きっとそうだ


「相変わらず大きい音するね、跡部のパッチン」
「ほんと〜、あのパッチンは誰にも真似できないよね〜」

あれ?みんなあのパッチンが聞こえてる。あたしだけか!?あたしだけ取り残されてないか!?自分の聴力の悪さに嘆いた瞬間でした


がすん!
「いたあっ!!」
「話し聞きなさいよ愛子!何回話しても聞こえてないんだから」
「す、すみません」

聴力の悪さに嘆くパート2。でも頭たたかなくてもいいじゃないですか、しょーこ先輩!



「あんた、氷帝にちょっかい出しにいったんだって?」
「なんで知ってるんですか!?」
「越前くんに聞いた」

あ、あんにゃろー…!あかんべーしてんじゃねーよ!可愛いんだよ馬鹿!あ、やば本音言っちゃった。うそうそ今のうそ!

「またあんたは…」
「ご、ごめんなさい!いや、あの大将がどうしても許せなくて」
「はあ?大将?だれそれ」
「あの叫ばれてる、跡部様とかいうやつです」
「あー跡部くんね。てかなんであんたが跡部くんを知ってるのよ?」
「なりゆきで」

あんた成り行きで世の女の子がうらやむ状況を手にいれたって運が良すぎるわよ、としょーこ先輩にほめられた。いや照れる照れる。ていうか、そんなに人気なんですか?ていうか強いんですか?




「強いよ。跡部くんは」



真剣なしょーこ先輩を見て、試合に目をうつすと二人とも互角に戦っていた。あたしは今までに見たことのない動きをしているぶちょーを見て熱がはいった

一球一球のラリーがとても長く、それもただ打ち合うだけのラリーじゃない内容のこもったラリーだった。なんだろう、本当にこれがテニス?みんながみんなボール一個に集中してて、あたりは静かになってボールを打つ音だけが響いた


「すごい…ぶちょーってすごいんですね」



「手塚さんは俺の目標だからな」
「そうなんですか。あたしはてっきりぶちょーと幼なじみかと思ってましたよ」

「赤也。だれだ、この女子は」

はい。試合の最中に切原さん見つけてあいさつに行きました。となりには初めて見る方々が二人いらっしゃったのでご挨拶をした





「あれ?また愛子がいない…」
「あんの馬鹿。数十分もじっとしてらんないわけ!?」

2010/9/26