青春を部活に捧げる | ナノ



「みんなさ、あんなにぴょんぴょん跳んでるけどさ、着地はどうやってるんだろうね〜。絶対傷だらけだよね」
「そうなんじゃない?」
「でも菊丸先輩は顔にひとつしか絆創膏貼ってないし、あのおかっぱも全然傷ないよね?ていうか肌白!あのおかっぱ」
「ほんとだ」


それにしても、ほんと氷帝の応援すごいなあ〜。堂々としてて迫力あるっていうか、これ考えた人よっぽど絶対王政な気がする。絶対王政、社会で習いました



「勝つのは愛子!負けるのリョーマ!」
「黙ってくんない?」
「わー越前くんの名前久しぶりに呼んだー!きもー!」
「…………」

「愛子黙れ」
「ごめんなさいゆーちゃん先輩!」


しまった。今は桃ちゃんの試合だった!ぴょんぴょん跳ねてる人たちに気をとられて桃ちゃんのこと見てなかった

でも越前くんはやっぱり越前くんのほうがしっくりくるなあ。なんていうか名前負け?リョーマってカタカナもすごいけど、越前って苗字もそうそういないと思うし。越前>リョーマ、みたいな。そこ賢く不等号使ってみました



「それにしても菊丸先輩も強いなあ…!後衛にまわってもちゃんとサポートしてるし、あたしもあんなふうになれるかな!?」
「ああ。一生無理」
「あたしに夢と希望をちょうだい」




「てかさ、なんで俺の隣で試合見てるわけ?一緒に来た先輩と見ないの?」
「だってゆーちゃん先輩と一緒にいても先輩は桃ちゃんのことでいっぱいいっぱいだからいてもつまんないっていうか…」
「相手にされないわけね」
「そうそう。その分越前くんのほうがあたしと相手してくれるからあたしはそれで楽しいわけです」

「………………」
「…………ちょ、え、なんで黙った?」


沈黙はやめてー!あたしが変なこと言っちゃったから!?なんか柄でもないこと言っちゃったからか!?

………でも、この際だから、越前くんに聞いてみようかな。なんで告白断ったのかを…


「ね、えちぜ…」

「愛子ー!!!大変!桃城くんの腕が!虫に!おかされてる!」
「まじっすか!!ぎゃーほんとだー!」


ゆーちゃん先輩が指をさして言うからついそっちに目がいって越前くんに言うことを忘れてしまっていた


「………」
「で、なに?さっきなんか言いかけたでしょ」
「いや、なんでもないっす」
「あっそ」


なんかあたし、何の根拠もなく告白したんだなあと改めてショックを受けた。そういえばあのときも先輩たちや亜久津さんにいろいろ言われて洗脳されたんだっけ?それで変な気を起こして勢いで告白したんだよね…。それってあの人たちのせいじゃん!

2010/9/26