青春を部活に捧げる | ナノ



「え、あたしハチマキないんですか?」
「おー。お前が来るのすっかり忘れててな。ということで」
「え?」


関東大会にやってきました。ゆーちゃん先輩も一緒です

ゆーちゃん先輩はようやく桃ちゃんと話せるようになっていました。あたしがいない間に!最初はかなり軽蔑されたようですけど、ゆーちゃん先輩はねばりにねばった結果試合に呼んでもらえたようです。かなりの進歩なのであたし自身うれしいです

だからゆーちゃん先輩のハチマキは予備として用意してあったらしいんですが、あたしのがないらしいです












「…大石先輩がまだ!?」

「あんた、そのおでこうけるね」
「桃ちゃんにやられたんです」
「だっさ」
「うっせ!」


その結果あたしのおでこには青学必勝の文字が書かれています。越前くんはあたしの顔を見て爆笑しています。はい、むかつきます


「ゆーちゃん先輩!桃ちゃんが代理で試合に出るそうですよ!」
「ほんと!?応援しなくちゃ!愛子、そのおでこうけるね」
「ありがとうございます」

もう返事の仕方がわかんない








「なんでいるの?」


試合が始まって、先輩たちが続々とコートに入る中、白い帽子が見えないと思ったらあたしの隣に彼はいた


「………俺、補欠」
「あ、ごめん聞こえなかったもっかい言って?はい、3、2、1」
「しつこい」


補欠〜?今になって戦力不足と判断されちゃったんだね、ドンマイッ☆!なんか、越前くんが言うには樺地っていう大男と戦えるのは桃ちゃんかタカ先輩しか無理らしいから越前くんは戦力外なんだって爆笑


「もうちょっと背が伸びたらいいのにね〜」
「あんたに言われたくない」
「あーでも越前くんの背が高すぎても嫌だなあ。やっぱそのサイズでいいよ!うん!」


ただでさえ越前くんに馬鹿にされてるのにこれ以上見下ろされたらたまんないよね〜。あははは





っておいいい!あたしなんでこんなに普通に越前くんと話してるわけ!?今頃になって気づいたよ!またあたしふられてる自覚なしに会話してたよ!あーもうあたしどこまでも乙女じゃない!

ふられたらもう話もしたくないっていうのが乙女だとあたしは思っていますなのにあたしってやつはあああっ!


「…なにやってんの、試合始まるから静かにしてよね」
「…………」


越前くんも越前くんだよ。あたしが告白したの忘れちゃったのかなあ…








「わーめっちゃ跳んでるー!人間じゃないー!」


まあそんな悩みも桃ちゃんと菊丸先輩の試合を見てたら吹っ飛んじゃったんですけどね

2010/9/26