青春を部活に捧げる | ナノ





「おまえには聞いてねーよサル」
「あ!やっぱり覚えてやがったー!」
「跡部。何やねんこの子」
「サルだ。気にするな」
「気にしろ馬鹿!」
「てんめ馬鹿言うな」


くっそあたしの栄光を無視しやがってー!あたしだってがんばってこの地位にたどり着いたんだってば誰かほめて!



「こいつうけるな〜。女のくせに威勢よすぎんだろ」
「うっせカエル」
「誰がカエルだ!くそくそくそ!」


くそくそ言い過ぎだっての!ぴょんぴょん跳ねてカエルみたいな人だなあ、このおかっぱの人。ていうか赤い髪は校則違反では?


「で、テメーはなにしに来たんだサル。ここは動物園じゃねーぞ」
「喧嘩売ってますか?あたしはサルでもないし上原愛子様って名前がちゃんとあるんです」
「そうか。覚えていろ樺地。こいつを早速動物園へ保護させる」
「ウス」


ウスじゃねーよ!なんだ動物園へ保護って!サル山にでも投げる気ですか!





「愛子ちゃん、そっちで喧嘩してないで、こっちも止めてくれる?」
「え?」


ってあたしが俺様な人と口喧嘩してたらいつのまにか桃ちゃんと越前くんが別のことで喧嘩してた!はい?ダブルス?そんなの桃ちゃんとゆーちゃん先輩が組めばいい話しです!ていうかなにしに来たんだあたしたち!






「それよりさ、そこのサル山の大将。俺と試合しよーよ」


…この子もね、喧嘩売ってんの?サルってあたしも加算されてる?もしかしてあたし、こっちの陣に入ってる感じ?どっちかっていうとそっちの味方なんだけど学校的に!



「あせんなよ」
「逃げんの?」


あんたら、不良ですか?








「上原」
「なんですか?桃ちゃん」


氷帝が撤収して、杏ちゃんさんともお別れをして、残ったあたしたち3人


「お前は何しに来たんだよほんと」
「桃ちゃんを連れ戻しにきたんですよ。レギュラー命令…じゃないや、テカメガネ先輩の命令で」
「テカ…?ああ、乾先輩か」
(分かったんですか。初めて見たよこの名前で誰か分かった人)


「んで、越前は?なんでここに来たんだよ」
「べつに」

「なに恥ずかしがってんの。桃ちゃんを連れ戻しにきたんでしょ?」
「うるさい」
「ほお〜」
「じゃあ俺帰るっす」


へっへへ。越前くんに初めて言葉で勝った気がする!やったね!




「ねえ桃ちゃん」
「あ?」
「もう一度レギュラー狙ってみたらどうですか?」
「……言われなくても、わかってるよ」
「がんばってくださいね」

2010/9/26